インド人陶芸家が見つけた景徳鎮という第二の故郷 video poster
インド出身の陶芸家、プリヤ・スンダラヴァッリ・スダルシャンさんは、磁器の都として知られる景徳鎮 Jingdezhen に、心からくつろげる第二の故郷を見つけました。伝説的な陶磁器だけでなく、街のにぎやかな文化やおいしい食べ物が、彼女をこの地に引き寄せています。
国境をこえて陶芸を学び合う彼女の物語は、ものづくりがいまも人と人、過去と未来をつなぐ力を持っていることを静かに教えてくれます。
インドから景徳鎮へ 気づけば第二の故郷
プリヤさんが景徳鎮に惹かれた最初の理由は、その伝説的な磁器文化でした。長い時間をかけて育まれてきた器づくりの土地に身を置くことで、自分の感性や技術をもう一段深めたいと考えたのだといいます。
しかし、彼女をとりこにしたのは工房だけではありませんでした。街を歩けば活気ある文化があふれ、日々の食卓には心なごむ料理が並びます。おいしい食べ物や、人々との何気ない会話もまた、彼女にとっては大切な学びの時間になっていきました。
こうして景徳鎮は、仕事のために一時的に滞在する場所ではなく、心の拠りどころとなる第二の故郷へと変わっていきます。
地元の名匠とともに 受け継ぐ技と知恵
景徳鎮での制作の中心にあるのは、地元の名匠たちとの協働です。プリヤさんは、現地の熟練した陶芸家たちと一緒にろくろをひき、土に触れ、窯の前に立ちながら、技だけでなくものづくりの姿勢そのものを学んでいます。
彼女は、こうした師弟のような関係の中で共有される知識や、代々受け継がれてきた祖先の技が、陶芸の世界にとってかけがえのない財産だと考えています。ひとりの作家の名声よりも、土地に根づいた技と記憶の重なりが、次の世代へと連なっていくからです。
その現場で交わされるのは、国籍や言語をこえた対話です。土の触り方、釉薬の加減、炎の色を見極める感覚など、言葉にしきれない感覚の共有こそが、彼女と地元の名匠を結びつけています。
過去の遺産を未来へつなぐ街 景徳鎮
プリヤさんにとって、景徳鎮は過去の遺産がそのまま保存されているだけの場所ではありません。そこで生きる人々が情熱を持って手を動かし、その遺産を未来へ手渡そうとしている、いま現在進行形の街です。
彼女は、受け継いだ技をただ守るのではなく、互いに教え合いながら更新していくことこそが、陶芸の世界の生命力だと見ています。インド出身の作家である自分が景徳鎮に関わることも、この長い物語の一部でありたいという思いがあるのでしょう。
グローバル時代のものづくりに見えるヒント
陶芸という一見ローカルな世界の物語は、グローバルに人や知識が行き交ういまの時代を考えるヒントにもなります。
- 技術だけでなく、食や日常の文化もまた、人と土地を結びつける力を持つこと
- 祖先から受け継いだ技と記憶は、一人の所有物ではなく、共有してこそ強くなること
- 国境をこえた協働は、伝統を失わせるのではなく、むしろ次の世代へとつなぐ手がかりになりうること
インドと景徳鎮のあいだをつなぐプリヤさんの歩みは、2025年のいまを生きる私たちに、土地に根ざした文化とグローバルな交流がどのように共存できるのかを静かに問いかけています。
日々の忙しさの中でも、手で何かをつくる人の物語に耳を傾けてみると、自分の暮らしや仕事を見つめ直す小さなきっかけが見えてくるかもしれません。
Reference(s):
Where heritage meets heart: An India ceramicist's story in Jingdezhen
cgtn.com








