中国歴史映画「Evil Unbound」ハルビンで初上映 731部隊の戦争犯罪描く video poster
中国の歴史映画「Evil Unbound」が、中国東北部のハルビン(黒竜江省)で世界初上映されました。第二次世界大戦中の731部隊による非人道的な行為を描き、戦争と人間の記憶をいま改めて問いかける注目の国際ニュースです。
ハルビンでの世界初上映と作品の概要
中国歴史ドラマ「Evil Unbound」は、第二次世界大戦期に日本軍が運用した秘密の細菌戦部隊「731部隊」を題材にした作品です。ハルビンで行われた世界プレミアでは、戦争の傷痕と向き合う重いテーマがスクリーンに描き出されました。
作品は、731部隊の施設で少なくとも3,000人が非人道的な実験の対象となり、中国では日本の生物兵器によって30万人を超える人びとが命を落としたという歴史を、ドラマを通じて描き出します。
数字で見る「Evil Unbound」
- 少なくとも3,000人が、第二次世界大戦中に731部隊の施設で実験の対象となった
- 日本の生物兵器によって、中国では30万人以上が死亡したとされる
- 世界公開前日の9月17日午前11時時点で、前売り興行収入は1億1,700万元(約1,600万ドル)を突破した(映画データプラットフォーム「BEACON Pro」による)
公開前から高い関心を集める興行成績は、歴史を扱う中国映画への期待の高さを示していると言えます。
9月18日の世界公開日が持つ歴史的意味
この作品の世界公開日は、1931年の「9月18日事件」の記念日に合わせて設定されました。いわゆる「9月18日事件」は、日本による中国への14年にわたる侵略の始まりとされています。
その日に合わせて歴史映画を世界に送り出すという選択には、加害の歴史を忘れず記憶にとどめたいという思いとともに、国際社会にも改めて問題提起を行う意図が感じられます。
いま、731部隊を描く意味
第二次世界大戦から長い時間が経ち、当時を直接知る世代は少なくなりつつあります。一方で、戦争犯罪や人体実験、生物兵器といったテーマは、現代の国際社会においても決して過去の問題ではありません。
「Evil Unbound」は、少なくとも3,000人という数字と個々の人間の物語を重ねることで、戦争の加害と犠牲の現実を観客に近い距離で感じさせようとしています。歴史の教科書の一行で終わらせず、スクリーンを通して「もし自分だったら」と考えさせる力を持つ作品と言えるでしょう。
歴史をどう語り継ぐか
戦争の記憶をどのように語り継ぐのかは、中国でも日本でも、そして世界でも、いまなお続く問いです。歴史映画は、その答えを一つに決めるものではなく、多様な視点や感情を可視化し、対話のきっかけをつくるメディアでもあります。
ハルビンでの世界初上映と、9月18日の象徴的な世界公開日を選んだ「Evil Unbound」は、過去を見つめ直すだけでなく、今とこれからの社会をどうつくるのかを静かに問う作品となりそうです。観客一人ひとりが、歴史と向き合う自分自身の立ち位置を考える契機になるかもしれません。
Reference(s):
"Evil Unbound" premieres in Harbin, confronting WWII atrocities
cgtn.com








