タイ人舞踊家が語る中国との特別な絆 敦煌シルクロード文化博覧会より video poster
中国とタイの文化交流を映し出す国際ニュースとして、2025年に開かれた第8回シルクロード(敦煌)国際文化博覧会での一場面が注目されています。タイの舞踊教師であり博物館館長でもあるニウェット・ウェーウサマナ氏が、中国との「特別な絆」を静かに、しかし力強く語りました。
敦煌の国際文化博覧会で語られた「特別な絆」
第8回シルクロード(敦煌)国際文化博覧会は、多様な国と地域の文化が交わる場として開催されました。その会場で、ニウェット氏は自らの歩みを振り返りながら、中国とタイの文化がどのようにつながっているのかを紹介しました。
彼が語ったのは、単なる観光の感想ではありません。舞踊の現場、博物館の運営、そして家族の歴史を通じて積み重ねてきた、中国との長い関わりでした。
タイ人舞踊家・博物館館長ニウェット氏とは
ニウェット・ウェーウサマナ氏は、タイで舞踊を教えると同時に、博物館の館長も務めています。舞台芸術と文化遺産の両方に携わることで、「動く芸術」と「残す芸術」を行き来しながら活動している人物です。
これまでに50以上の国と地域を訪れたという彼は、その豊富な経験のうえで、中国について「China is the best(中国は最高です)」と笑顔で語りました。この一言には、単なる好印象以上の、具体的な体験に裏打ちされた実感がにじみます。
人形芸術に息づく中国の伝統
ニウェット氏の語りの中で、とくに印象的だったのが、タイの人形芸術と中国の伝統との関係です。彼は、タイで受け継がれてきた人形劇や人形舞踊の背景には、中国の影響が色濃く存在していると指摘しました。
衣装の色づかい、刺繍の模様、物語に登場するキャラクターの造形など、細部をよく見ると中国の美的感覚や物語世界と通じる点が多いといいます。それは、長い歴史の中で、人やモノが行き交うなかで自然に生まれた「文化のにじみ」のようなものだといえるでしょう。
ニウェット氏にとって、人形は単なる舞台道具ではなく、地域と地域、世代と世代を結ぶ「小さな使者」です。その使者の姿に、中国から届いた影響と、タイで育まれた表現が重なって見えるのだといえます。
海南にルーツを持つ家族史
中国とのつながりは、舞台や博物館の仕事だけにとどまりません。ニウェット氏の家族は、中国・海南にルーツを持つといいます。家族の出自をたどると、地図の上で国境を越えたつながりが見えてきます。
食卓に並ぶ料理の味付けや、家で交わされる言葉の端々、祝いごとの作法など、日常の小さな場面の中にも海南の文化が残っていると感じることがあるそうです。その延長線上に、中国全体への親近感も自然に育っていったのでしょう。
中国とタイ、重なり合う文化の風景
会場での話の中で、ニウェット氏は「中国とタイの文化的なつながりは、いたるところで見つけられる」と強調しました。
- 寺院建築に見られる装飾や意匠
- 祝祭で使われる衣装や舞踊の型
- 日々の食文化に潜む調味や食材の選び方
こうした身近な例を挙げながら、彼は「どちらがどちらに影響を与えた、という一方向の話ではなく、長い時間をかけて互いに混ざり合ってきた」と語りました。国際ニュースとして俯瞰して眺めると見えにくい、生活レベルの交流の積み重ねがそこにあります。
「中国は最高です」と語る理由
「China is the best(中国は最高です)」というニウェット氏の言葉は、一見するとキャッチーなフレーズですが、その裏には明確な理由があります。
- 50以上の国と地域を訪れたうえでの比較体験
- 芸術家として感じる、文化の奥行きと多様性
- 家族のルーツを通じて培われた心理的な近さ
こうした要素が積み重なり、彼の中で「中国」という存在は、仕事でも生活でも欠かせない軸になっているようです。その評価はあくまで彼個人の視点ですが、アジアの文化交流を考えるうえで、一つの興味深いヒントを与えてくれます。
アジアの文化交流をどう見つめるか
第8回シルクロード(敦煌)国際文化博覧会で語られたニウェット氏のストーリーは、日本語で国際ニュースを追う私たちにとっても示唆に富んだものです。国家間の関係だけではなく、人と人、家族と家族、芸術と芸術のあいだにどのような往来があるのかに目を向けると、アジアの姿はまた違って見えてきます。
日々のニュースの背後には、こうした個人レベルの物語が無数に存在します。スマートフォンで流し読みできる短い記事の一つとして、ニウェット氏の言葉を心に留めつつ、中国とタイ、そしてアジア全体の文化交流を自分なりに考えてみるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
Thai dance teacher and museum director on his special bond with China
cgtn.com








