エジプト専門家が語る文明の共有と相互成長 第8回シルクロード博 video poster
最近開かれた第8回シルクロード(敦煌)国際文化博覧会で、エジプトの水資源専門家が「文明を共有し、相互に成長する」という視点から、中国とエジプトの関係について語りました。国際ニュースとしては小さな一幕ですが、これからの国と国との向き合い方を考えるヒントが詰まっています。
エジプトの水文地質学者が見た中国とエジプト
カイロにあるエジプト灌漑・水資源省で上級水文地質学者を務めるモハメド・サレフ・モハメド・ユセフ・シャマ氏は、第8回シルクロード(敦煌)国際文化博覧会の場で、中国とエジプトは「倫理と道徳の共通の価値観」を共有していると述べました。
さらにシャマ氏は、各国は自国だけの利益を追い求めるのではなく、「相互利益」と「ウィンウィンの協力」を目指すべきだと指摘しました。古代文明の歴史を持つ両国が、倫理や道徳といった価値観を軸に連帯を語る姿は、経済や安全保障だけに焦点が当たりがちな国際ニュースとは少し違う角度を示しています。
なぜ「倫理と道徳」がキーワードなのか
シャマ氏の発言で目を引くのは、中国とエジプトの共通点として、政治体制や経済規模ではなく「倫理」と「道徳」が挙げられている点です。価値観を共有しているというメッセージは、以下のような意味を含んでいると読むことができます。
- 文化や文明の違いを超えて、基本的な善悪の感覚や他者への配慮を重視すること
- 短期的な利益よりも、長期的で公平な関係を築こうとする姿勢
- 相手国を競争相手ではなく、共に成長するパートナーとして見る視点
特に、水資源や環境のように国境を越えて影響が広がる分野では、「倫理」や「道徳」を共有できるかどうかが、協力の質を左右します。水文地質学の専門家であるシャマ氏がこの点を強調したことには、実務の現場からの実感もにじんでいるように見えます。
「相互利益・ウィンウィン」を現実のものにするには
「ウィンウィン」という言葉は便利な一方で、中身が伴わなければ空虚なスローガンになりがちです。シャマ氏のメッセージを手がかりに、「相互利益」を本当に実現するための条件を整理してみると、次のようなポイントが見えてきます。
- 透明性:プロジェクトや協力のルールを明確にし、関係者が情報を共有できること。
- 持続可能性:一時的な利益ではなく、環境や社会への影響も含めて長期的に成り立つこと。
- 尊重と対話:相手の歴史や文化を尊重し、対等な立場で議論できること。
こうした条件がそろって初めて、「相互利益」「ウィンウィン」という言葉は、単なる外交辞令ではなく、具体的な協力の姿として意味を持ち始めます。
日本の読者にとっての問いかけ
今回の発言は、中国とエジプトという二国間の話にとどまりません。国際社会の一員として、日本や日本に暮らす私たちにとっても、次のような問いを投げかけているように感じられます。
- 日本はどの国と、どのような「共有する価値」を軸に関係を築いていくのか。
- 経済的な利益と、倫理や道徳をどうバランスさせるのか。
- 国家間だけでなく、個人レベルで「相互成長」や「ウィンウィン」をどう実践できるのか。
通勤電車の中でニュースをスクロールしていると、数字や衝突のニュースばかりが目につきがちです。その中で、「共有する文明」「倫理と道徳」「相互成長」といった言葉に立ち止まってみることは、自分自身のものの見方を少しアップデートするきっかけになるかもしれません。
エジプトの専門家が敦煌の場で語った小さなメッセージは、国際ニュースの大きな見出しにはならないかもしれません。しかし、「どんな未来を他国と分かち合いたいのか」という問いを、静かに私たちに投げかけています。
Reference(s):
cgtn.com








