インドネシア監督「ハリウッドはナンバーワンではない」 中国映画との文化的つながり語る video poster
インドネシアの映画監督ガリン・ヌグロホ氏が、第12回シルクロード国際映画祭の会場で「ハリウッドはナンバーワンではない」と語りました。インドネシアでのローカル映画の躍進と、中国映画とのつながりを象徴する発言として注目されています。
「ハリウッドはナンバーワンではない」発言の背景
ヌグロホ監督は、中国のメディアCGTNの取材に対し、現在の映画市場についての見方を率直に語りました。その中で、「ハリウッドはナンバーワンではない」と強調し、世界の映画地図が変わりつつあるとの実感を示しました。
監督によると、インドネシアでは興行収入ランキング上位10作品のうち6作品を自国の映画が占めているといいます。かつて海外大作に押されがちだったローカル作品が、今や観客の支持を集めているという構図です。
シルクロード国際映画祭で見えたローカル映画の力
ヌグロホ監督がこの発言を行ったのは、第12回シルクロード国際映画祭の会場でした。同映画祭の最高賞にあたるゴールデン・シルクロード賞の審査員を務めており、各国から集まった作品と向き合う中でのコメントです。
国際映画祭の場では、ハリウッド作品だけでなく、アジアや中東、欧州など多様な地域の映画が並びます。監督の言葉には、そうした多極化した映画シーンの現場に立つ当事者ならではの実感がにじんでいるといえます。
子どもの頃に親しんだ中国映画
ヌグロホ監督は、自身の原点として、小学校時代の記憶を振り返りました。当時、インドネシアでは中国映画が大きな人気を集めており、多くの子どもたちがスクリーンを通じて中国の物語や文化に触れていたといいます。
こうした経験から、監督は「映画こそがインドネシアと中国をつなぐ最大の文化的なリンク(つながり)だ」と考えるようになりました。国境や言語の違いを越えて、物語や映像が共有されることで、相手の社会や人々への理解が深まるという視点です。
インドネシアと中国の映画人への呼びかけ
ヌグロホ監督は、インドネシアと中国の映画制作者たちに対し、この文化的なつながりを今後も育てていくよう呼びかけています。かつてスクリーンで育まれた親近感を、次の世代にも手渡していきたいという思いがうかがえます。
そのための具体的な形はさまざまに考えられます。共同制作やスタッフ・俳優の交流、映画祭を通じた作品紹介など、映画を軸にした対話の場が広がれば、両国の観客にとっても新たな出会いが生まれるでしょう。
「ハリウッド一強」ではない時代をどう見るか
ヌグロホ監督の「ハリウッドはナンバーワンではない」という言葉は、単なる挑発ではなく、世界各地でローカル映画の存在感が増している流れを映し出しているように見えます。
- 観客が自分たちの言語や文化に根ざした物語を求めていること
- インドネシアや中国を含むアジアの映画産業が、制作面でも興行面でも力をつけていること
- 国際映画祭が、ローカル作品を世界の観客とつなぐ場として機能していること
こうした点を踏まえると、「どの国の映画が一番か」という序列よりも、「多様な映画が並び立つ世界」をどう育てていくかが、これからのテーマになりそうです。
私たちにとっての意味
日本からこのニュースを見る私たちにとっても、ヌグロホ監督の言葉は他人事ではありません。自国や近隣地域の映画をどう支え、どう世界とつないでいくのかは、日本の映画界や観客にとっても共通の課題です。
インドネシアと中国の映画人がどのように協力し、新しい物語を生み出していくのか。今後の動きに注目しつつ、私たち自身も「どんな物語を、どこから見るのか」を静かに問い直してみるタイミングと言えるかもしれません。
Reference(s):
Indonesian director tells filmmakers: Hollywood is no longer No. 1
cgtn.com








