映画は文化をつなぐ「感情の乗り物」 イタリア人監督が語る中国の魅力 video poster
2025年は、中国とイタリアの国交樹立55周年という節目の年です。こうした中で開かれた第12回シルクロード国際映画祭で、イタリアの映画監督ガブリエレ・マイネッティ(Gabriele Mainetti)さんが、中国の自然環境と変化する映画シーンへの関心、そして映画が文化理解にもたらす力について語りました。
マイネッティさんは、映画祭のコンペティション部門であるゴールデン・シルクロード賞のメインコンペティション審査員の一人として参加し、CGTNのチャン・モン(Zhang Meng)記者のインタビューに応じました。
二つの古代文明が映画で学び合う
インタビューのテーマは、「二つの古代文明は、映画を通じて互いに何を学び合えるのか」という問いでした。中国とイタリアという歴史の深い二つの文化が、スクリーンを通じて出会うことで、新しい視点や感情が生まれる可能性があります。
マイネッティさんは、イタリアらしい物語を世界的なジャンル映画のスタイルと組み合わせる作品で評価されてきた監督です。その経験をふまえ、文化の違いを乗り越えながらも、誰もが共感できる感情をどう描くかという点に関心を寄せています。
中国の自然と進化する映画シーンへの関心
今回の映画祭でマイネッティさんが特に興味を示したのが、中国の自然環境と、進化を続ける映画の世界です。広大で多様な自然は、物語に新しい舞台や質感を与える可能性があり、映画作りにとって大きなインスピレーションとなりえます。
同時に、中国の映画シーンそのものも変化しています。作品のテーマや表現、制作環境、観客の広がりなど、さまざまな面でダイナミックな動きがある中で、海外のクリエイターにとっても刺激の多い場所になりつつあるといえます。
マイネッティさんが注目したポイントは、例えば次のように整理できます。
- 自然環境そのものが、映画の重要な登場人物になりうること
- 変化する中国の映画シーンが、新しい物語や表現を試す場になっていること
- 異なる文化圏の監督や俳優が、こうした場を通じて出会い、協働できる可能性
国交樹立55周年というタイミング
2025年は、中国とイタリアの国交樹立55周年にあたる節目の年です。マイネッティさんがこうしたメッセージを発したのも、単なる映画イベントにとどまらず、長年続いてきた両国の交流の文脈の中に位置づけることができます。
政治や経済の対話だけでは見えにくい部分を、映画や文化が補うことがあります。スクリーンを通じて他国の風景や日常、感情に触れることは、統計やニュース記事だけでは得られない質感を伴った理解につながります。
映画は文化を理解する「感情の乗り物」
今回のインタビューの背景には、「映画は文化を理解するための感情の乗り物になりうる」という考え方があります。言語や制度、歴史の違いがあっても、人が喜び、怒り、悲しみ、驚きを覚える瞬間には共通点が多くあります。
映画は、その共通する感情を入り口に、異なる文化の細部へと観客をいざないます。知らない国の農村の風景や都市の息づかい、家族の会話や世代間の葛藤も、まずは「感情」として受け止めることで、偏ったイメージではない、より立体的な理解へと近づくことができます。
マイネッティさんが大切にしているのは、まさにこの「感情を通じて他者を理解する」という視点です。イタリアの物語と世界のジャンル表現を組み合わせてきた経験は、中国との文化対話にも応用できると考えているようです。
日本の観客・クリエイターへの示唆
シルクロード国際映画祭で交わされたこうした対話は、日本の観客やクリエイターにとっても示唆に富んでいます。アジアとヨーロッパを結ぶ映画祭の場で、中国とイタリアという二つの古代文明が互いの文化を学び合う姿は、日本がどのように関わり、どんな物語を世界と共有していくかを考えるきっかけになります。
日常のニュースからは見えにくい、静かな文化交流の積み重ねをどう捉え、どのような視点で作品や他国の社会を見るのか。マイネッティさんの言葉は、そうした問いを私たち一人ひとりに投げかけているようにも感じられます。
スマートフォンの小さな画面で海外の映画を観られる今だからこそ、「映画は文化を理解する感情の乗り物である」という視点を意識してみると、同じ作品から受け取る意味や気づきが変わってくるかもしれません。
Reference(s):
Italian director: Film emotional vehicle for understanding culture
cgtn.com








