ポーランド監督が語る「映画は三度生まれる」編集が物語に宿す魂 video poster
映画はいつ「生まれる」のか。第12回シルクロード国際映画祭のドキュメンタリー部門の審査員を務めるポーランドの映画監督・編集者ラファウ・リストパド氏は、CGTNのZhang Meng記者のインタビューで「映画は三度生まれる」と語り、編集という作業が物語に魂を与えるプロセスであることを静かに強調しました。<\/p>
映画はどのように「三度生まれる」のか<\/h2>
リストパド氏によると、一本の映画には三つの「誕生の瞬間」があります。<\/p>
1. 脚本としての誕生<\/h3>
最初の誕生は脚本です。まだ紙の上の物語ですが、登場人物や世界観、テーマの方向性がここで形になります。<\/p>
2. 現場での誕生<\/h3>
二度目の誕生は撮影現場です。俳優の演技やカメラワーク、照明、音といった要素が加わり、脚本が具体的な映像として立ち上がっていきます。<\/p>
3. 編集室での誕生<\/h3>
そして三度目の誕生が編集室です。リストパド氏は、この段階こそが最も重要だと見ています。編集では、どのショットを選ぶのか、どの順番で並べるのか、どのくらいの長さで見せるのかといった判断が重ねられます。その組み合わせ次第で、観客が感じる物語の意味や感情の流れは大きく変わります。<\/p>
彼は、編集によって映画の「本質」が再定義されると語り、ここで物語がようやく自分の「魂」を見つけるのだと強調しました。<\/p>
ウォン・カーウァイ作品との出会いが変えた「映画のリズム」<\/h2>
インタビューの中でリストパド氏は、若い頃にウォン・カーウァイ監督の作品と出会った体験を振り返っています。それは「新しい世界を発見したような感覚」だったといいます。<\/p>
ウォン・カーウァイ作品の独特のテンポやカメラの動き、色彩の使い方は、映画のリズムや「視覚的な詩」としての表現を意識するきっかけになりました。リストパド氏は、これらの作品から、対話だけではなく、光や動き、沈黙そのものが物語を語りうることを学んだとしています。<\/p>
リズムで語る映画、言葉を超える物語<\/h3>
映画編集は、音楽でいうビートを作る作業にも似ています。カットを早くつなげれば緊張感が生まれ、あえて長く見せれば余韻や不安が強調されます。ウォン・カーウァイ作品から受けた影響を通じて、リストパド氏は、リズムと映像の詩情がどれほど観客の感情を動かすかを意識するようになったといえます。<\/p>
編集という「見えない仕事」が映画を変える<\/h2>
リストパド氏が強調するのは、編集が目立たないが決定的な仕事であるという点です。<\/p>
編集では、次のような選択が積み重なります。<\/p>
- どの瞬間を残し、何を捨てるか<\/li>
- どのショットをつなぎ、どこで切るか<\/li>
- 音や沈黙をどのタイミングで置くか<\/li>
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同じ素材でも編集の仕方によって、作品は静かなドキュメンタリーにも、緊張感のあるスリラーにもなりえます。まさに、編集室は映画が最終的な姿に生まれ変わる場所だというリストパド氏の言葉が重なります。<\/p>
観客として「三度の誕生」を意識してみる<\/h2>
今回のインタビューは、映画を観る私たちにもヒントを与えてくれます。<\/p>
- この作品の脚本段階ではどんな物語が想定されていたのか<\/li>
- 現場で何が起こり、どんな表情や動きが生まれたのか<\/li>
- 編集でどのようなリズムと物語の「魂」が選び取られたのか<\/li>
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こうした三つの誕生を意識して映画やドキュメンタリーを見ると、一本の作品の見え方が少し変わってきます。スクリーンの裏側にある職人たちの仕事を想像することは、日々のニュース映像やオンライン動画を受け取るときにも、新たな視点をもたらしてくれるかもしれません。<\/p>
Reference(s):
Polish filmmaker Rafał Listopad: A film is 'born three times'
cgtn.com








