台湾監督が語る両岸の物語 中国映画の未来とは【国際ニュース】 video poster
中国本土の映画産業の成長と、台湾海峡をはさんだ両岸の物語をどう結びつけるかーー福建省福州市で開かれた第12回シルクロード国際映画祭で、台湾の映画監督クラーク・リー氏が語った提案が注目されています。本記事では、その発言のポイントと、中国映画や日本の観客にとっての意味を読み解きます。
シルクロード国際映画祭で示された評価と期待
リー氏は、福州市で開催された第12回シルクロード国際映画祭の場で、中国本土の映画産業について「活気ある成長」を遂げていると評価しました。現在の中国本土の映画界に対して、大きな可能性と勢いを感じていることを示したかたちです。
国際映画祭という場で、台湾の監督が中国本土の映画産業を評価したことは、アジアの映像ビジネス全体を見渡したうえでの発言といえます。制作環境や観客層が変化するなかで、どのような作品が求められているのかという視点も共有されつつあります。
両岸の物語を「一本のフィルム」に
リー氏がさらに踏み込んで語ったのが、台湾海峡の両岸、つまり中国本土と台湾の物語を映画作品の中で融合させたいという構想です。両岸それぞれの歴史や生活、価値観を一つの物語として描くことで、中国映画全体の発展につなげたいとする考えを示しました。
これは、単に共同制作の本数を増やすという話ではありません。物語そのものを両岸で共有し、視点やキャラクター、舞台となる地域を行き来させることによって、より立体的な作品世界をつくり出そうという試みだと受け取ることができます。
なぜ両岸をつなぐストーリーが重要なのか
リー氏の提案の背景には、文化や物語を通じて相互理解を深めようとする発想があります。両岸の物語を一本の作品に織り込むことには、次のような意味が考えられます。
- 中国本土と台湾、それぞれの生活感や価値観を同時に描くことで、観客に複数の視点を提供できる
- 俳優や制作スタッフが両岸をまたいで協力することで、新しい表現や演出方法が生まれやすくなる
- 物語の舞台が広がることで、国内外の観客にとっても新鮮な映像体験となる
こうした取り組みが進めば、中国語圏の映画がより多層的になり、国や地域をこえて視聴される作品が増えていく可能性があります。
中国映画全体の発展をめざして
リー氏は、両岸の物語を映画で融合させることによって、中国映画全体の発展を促したいとの意向も示しました。ここでいう「中国映画」は、中国本土だけでなく、台湾を含む広い中国語圏の映画文化を視野に入れた表現と捉えられます。
具体的には、
- 観客層を広げるためのストーリーテリングの工夫
- 両岸の制作現場同士の連携強化
- アジアや世界の映画祭で評価される作品づくり
といった方向性が意識されていると考えられます。リー氏の発言は、映画を通じて中国本土と台湾の双方が力を合わせ、より豊かな作品世界を築いていこうという呼びかけとしても受け取ることができます。
日本の観客にとっての意味
2025年12月現在、日本でも中国本土や台湾を舞台にした映画やドラマを、配信サービスや映画館で見る機会が増えています。両岸の物語を融合させた作品が生まれれば、日本の観客にとっても、これまで以上に多様な中国映画に触れる入り口となるでしょう。
日本語で国際ニュースやアジアの動きを追いかける読者にとって、今回の発言は次のような問いを投げかけています。
- アジアの映画やドラマを通じて、自分はどのような地域や社会を理解してきたか
- もし両岸を舞台にした新しい中国映画が公開されたら、自分はどんな視点で見てみたいか
台湾の監督が中国本土の映画産業の成長を評価し、両岸の物語の融合を提案したことは、アジアの映画文化が新たな段階に差しかかっていることを示すサインともいえます。今後、どのような作品が生まれ、どのように世界の観客に届いていくのか。動きを追いながら、私たち自身の視点もアップデートしていく必要がありそうです。
Reference(s):
Taiwan director advocates blending stories from across the strait
cgtn.com








