米中シスター都市会議で見えた「アイビーリーグ」浙江大学での対話 video poster
米国カリフォルニア州の地方議員が、中国・浙江大学の歴史あるキャンパスを歩きながら「まるでアイビーリーグみたいだ」と語りました。米中関係の国際ニュースが緊張や対立に焦点を当てがちななかで、「現場のまなざし」から見える風景を伝えるエピソードです。
浙江大学キャンパスで聞こえた「アイビーリーグみたいだ」
舞台となったのは、中国・浙江大学の之江(Zhijiang)キャンパスです。静かな雰囲気と緑に囲まれた歴史ある校舎が並ぶこの場所を歩きながら、サクラメント郡のスーパーバイザー(郡の行政を監督する選出職)であるリッチ・デズモンド氏は、同行していた記者の劉莫涵(Liu Mohan)氏に印象を語りました。
「ここは、アイビーリーグの大学とまったく同じ雰囲気ですね」。米国東部の名門大学群を指すアイビーリーグを引き合いに出し、中国の大学キャンパスに対して感じた親近感を率直に口にしたのです。政治制度や社会の違いを超えて、学びの場としての共通点を見いだした瞬間でもありました。
シスター都市がつなぐ米中の人間関係
デズモンド氏が浙江大学を訪れていた目的は、米中の自治体が集う「米中シスター都市会議(Sino-American Sister Cities Conference)」への出席でした。都市どうしが公式に交流関係を結び、市民や企業、学生の往来を促すシスター都市の枠組みは、国家レベルとは異なる「ローカル」なチャンネルとして位置づけられています。
デズモンド氏は、自身が関わってきた中国の都市・済南とのシスター都市交流を振り返り、現地を訪れた際に受けた並外れたもてなしと、率直で温かな歓迎ぶりが強く印象に残っていると語りました。空港での出迎えから、街の案内、日常生活の紹介に至るまで、中国の人々が見せたホスピタリティに深い感銘を受けたといいます。
そうした経験の延長線上に、今回の浙江大学訪問と、キャンパスで覚えた「アイビーリーグとの親近感」もあると言えるでしょう。デズモンド氏の発言からは、ニュースの見出しだけでは捉えきれない、人と人との距離の近さが伝わってきます。
- 歴史ある中国の大学キャンパスが、米国のアイビーリーグを連想させたこと
- 済南とのシスター都市交流で感じた、中国の人々の並外れたもてなしと温かさ
- 国家レベルの政治的な違いを乗り越えるには、人と人の直接対話が重要だという思い
対話への信頼とAPEC Leaders’ Meetingへの期待
視線を未来に向けたとき、デズモンド氏が強調したのは「対話の力」です。両国のトップリーダーが直接向き合い、顔を合わせてじっくり話すことこそが、誤解を減らし、意見の違いを乗り越える最も有効な手段だと信じていると述べました。
そのうえで、今後予定されるAPEC Leaders’ Meeting(アジア太平洋経済協力の首脳会合)を、米国と中国の首脳が腰を据えて話し合う絶好の機会として活用してほしい、と期待をにじませました。世界で大きな影響力を持つ二つの国のリーダーだからこそ、対面での外交を通じて建設的な共通項を見いだすことができる――そうした確信が、デズモンド氏の言葉の背景にあります。
ローカル発の交流が米中関係にもたらすもの
国家同士の関係が複雑さを増す一方で、地方自治体や大学レベルの交流は、比較的静かに、しかし着実に続いています。浙江大学のキャンパスを歩く一人の地方議員の視点からは、「ローカル」なつながりが国際関係に果たしうる役割も見えてきます。
- 対立や摩擦が報じられる米中関係のなかで、日常的な文化・教育交流という「もう一つの風景」を可視化する
- 地方同士のネットワークが、国家レベルの関係悪化を和らげるクッションとして働く可能性
- 学生や市民が、相手国を抽象的な「大国」ではなく、具体的な人や街としてイメージできるようになること
こうした積み重ねはすぐに目に見える成果として表れるわけではありませんが、長期的には相互理解の土台を厚くしていく動きとも言えます。
このニュースから私たちが考えたいこと
日本からこの国際ニュースを読む私たちにとっても、浙江大学での一幕は、いくつかの問いを投げかけています。
- 他国について語るとき、「国家」や「政府」だけでなく、そこで学び、働き、暮らす人々の視点をどれだけ思い描けているか
- 都市や大学同士の地道な交流が、ニュースでは目立たないところで信頼を少しずつ積み上げていること
- 意見が食い違う局面ほど、対話を避けるのではなく、どうやって直接会って話す場をつくるかが問われること
米中関係というと難しく聞こえますが、浙江大学の静かなキャンパスで交わされた「アイビーリーグみたいだ」という一言には、国境を超えた共感と、顔を合わせて語り合う外交へのささやかな希望が込められているように見えます。地方の現場から生まれるこうした声を、私たちがどう受け止め、共有していくかも問われています。
Reference(s):
cgtn.com








