世界遺産ポタラ宮、外壁の年次塗り替え開始 Xizangで色彩を守る伝統 video poster
中国のXizangにある世界遺産・ポタラ宮で、外壁を塗り直す毎年恒例の作業が2025年10月22日に始まりました。雨季で色あせた壁をよみがえらせるこの取り組みは、世界遺産の姿を守るうえで重要な作業です。
世界遺産ポタラ宮、1300年以上の歴史を支える年中行事
ポタラ宮は、ユネスコ(UNESCO)の世界遺産に登録されている歴史的建造物で、その歴史は1300年以上に及ぶとされます。長い時間を生き抜いてきた建物を今に伝えるために、外壁の塗り替えは毎年行われています。
今年の外壁塗装は10月22日にスタートし、11月中旬から下旬まで続く見込みとされました。短期間に集中して作業を進めることで、建物の美観と保護の両立が図られています。
なぜポタラ宮は毎年塗り替えられるのか
ポタラ宮の外壁が毎年塗り替えられる背景には、気候と景観の両方の理由があります。
- 雨季による色あせ:ポタラ宮の外壁は、雨季のあいだに色が徐々にあせてしまいます。そのため、雨季明けのタイミングで塗り直すことで、鮮やかな色彩を取り戻します。
- 象徴的な景観を守る:白や赤などの印象的な色合いは、ポタラ宮の象徴的なイメージの一部です。色がくすんだまま放置せず、定期的に塗装することで、その象徴性を保ち続けています。
- 長期的な保存:外壁を保護する塗装は、単に見た目だけでなく、建物そのものを風雨から守る役割も担っています。毎年の塗り替えは、長期的な保存の一環ともいえます。
「鮮やかな色」を守るという文化財保護のかたち
文化財の保存というと、「触らずにそのまま残す」というイメージを持つ人も少なくありません。しかし、ポタラ宮の外壁塗装のように、「手をかけ続けることで本来の姿を維持する」というアプローチもあります。
毎年の塗り替えは、次のような点で注目されます。
- 時間の経過を前提にした保護:雨や風によって色があせることを前提とし、その変化に合わせて手入れを続けるという発想です。
- 生活と信仰の延長線上にある作業:外壁を塗り直すことは、単なる工事ではなく、長く受け継がれてきた暮らしや祈りと結びついた行為としても見ることができます。
グローバルな視点で見たポタラ宮のニュース
今回のポタラ宮の塗り替えは、一つの建物の話であると同時に、「世界遺産をどう守るか」という国際的なテーマともつながっています。観光地として映える姿の裏側で、毎年地道なメンテナンスが積み重ねられていることは、他の歴史的建造物にも共通する課題です。
国際ニュースとして見たとき、この出来事からは次のような視点も浮かび上がります。
- 世界遺産は、登録された瞬間ではなく、その後の管理と保全が問われる存在であること
- 気候や環境の影響に対応しながら、文化的な景観をどう維持していくかという実務的な課題
- 写真や映像で目にする「きれいな風景」の裏側には、多くの人の手作業と時間が積み重なっていること
読者が考えてみたいポイント
スマートフォンで世界中の風景を簡単に見られる時代だからこそ、ポタラ宮のような世界遺産が「どう撮られているか」だけでなく、「どう守られているか」に目を向けてみることには意味があります。
今回のニュースをきっかけに、次のような問いを自分なりに考えてみるのも良さそうです。
- 自分が行ってみたい世界遺産は、どのような方法で保存・管理されているのか
- 「古さ」と「美しさ」を両立させるために、どこまで手を加えるべきなのか
- デジタルで風景を消費する私たちは、その裏側の手間やコストをどこまで想像できているのか
世界遺産ポタラ宮の年次塗り替えは、Xizangの一つの出来事でありながら、文化財保護や観光、そして私たちのものの見方に静かに問いを投げかけるニュースでもあります。
Reference(s):
cgtn.com








