北京Amazing Toy Show 広がる「感情価値」消費 video poster
中国・北京で開催された「Amazing Toy Show Beijing 2025」が先ごろ朝陽公園(Chaoyang Park)で閉幕しました。400人を超えるデザイナーやアーティストが集まり、100点以上の新作が初披露されたこのイベントでは、「モノ」そのものよりも、それがもたらす楽しさや思い出といった「感情価値」にお金を払う来場者の姿が目立ちました。
「Amazing Toy Show Beijing 2025」とは
国際ニュースとしても注目されるこのトイショーは、デザイナーズトイやアートトイと呼ばれる、少量生産で個性の強いおもちゃやフィギュアが主役のイベントです。会場となった北京・朝陽公園には、カラフルなブースが立ち並び、クリエイターと来場者が直接言葉を交わしながら作品を手に取る光景が広がりました。
- 開催地:北京・朝陽公園(Chaoyang Park)
- 参加クリエイター:デザイナー・アーティストあわせて400人超
- 新作:100点以上がイベントで初公開
訪れた人たちは、ユニークな造形や鮮やかな色彩だけでなく、作品に込められたストーリーや作者の思いに共感し、「記念に買う」「自分の気持ちを上げるために買う」といった動機で購入している様子がうかがえます。
買われているのは「モノ」より「感情」
今回のAmazing Toy Show Beijing 2025が映し出したのは、単なるモノ消費ではなく、「感情価値」にお金を払うという新しい消費スタイルです。実用性や価格だけでなく、次のようなポイントが選ばれる理由になっています。
- ワクワク感:箱を開ける瞬間の高揚やコレクションが増えていく楽しさ
- 共感:作品の背景にあるストーリーやキャラクター性への共感
- 自己表現:好きなデザイナーの作品を持つことで自分の趣味や世界観を表すこと
多くの来場者は、日常で抱えるストレスや不安を一瞬忘れさせてくれる「小さな幸せ」として、トイを購入していると考えられます。値段だけではなく、どれだけ自分の気持ちを動かしてくれるかが、購買行動の重要な判断材料になっているのです。
デジタル世代がハマるデザイナーズトイ
会場では、子どもだけでなく、20〜40代とみられる大人の来場者も目立ちました。スマートフォンで写真を撮り、SNSにアップしながらお気に入りの作品を探す様子は、日本のデジタルネイティブ層にもなじみのある光景です。
デザイナーズトイが大人に支持される背景には、次のような要素があります。
- ノスタルジー:子どもの頃に夢中になったおもちゃへの郷愁
- コレクション文化:限定品やシリアルナンバー付き商品を集める楽しみ
- コミュニティ:ファン同士がオンライン・オフラインでつながる場があること
単なる「子どもの遊び道具」としてのおもちゃではなく、「大人が集めるアートピース」として、トイの位置づけは変化しつつあります。
中国の消費トレンドを見る手がかりに
2025年の北京で開催されたAmazing Toy Showは、中国の都市部で広がる新しい消費トレンドを象徴する出来事の一つだといえます。数字や機能よりも、「どれだけ自分の気分を前向きにしてくれるか」を重視する傾向は、アジア全体でじわじわと強まっています。
「体験」と「物語」が価値になる時代
今回のイベントでも、人気を集めていたのは、デザインが優れているだけでなく、キャラクターの背景や制作過程を丁寧に語るクリエイターでした。「どこで、誰が、どんな思いで作ったのか」という物語が、そのまま価格差となり、購入の決め手になっているようです。
これは、日本の小売やエンタメ、コンテンツビジネスにとっても示唆に富むポイントです。商品そのものの品質に加え、「感情価値」をどう設計し、伝えるかが、今後ますます重要になっていきます。
SNSで共有される「小さな幸せ」
会場で購入したトイを写真や動画で共有し、その反応を楽しむ行動も、感情価値の一部です。XやInstagram、ショート動画プラットフォームなどを通じて、イベントの熱気やお気に入りの作品が一気に拡散されることで、オンライン上にも新たなコミュニティが生まれます。
北京で生まれたこうした動きは、日本のSNSアクティブ層やカルチャー好きの読者にとっても、共感しやすい現象ではないでしょうか。国や地域が違っても、「ちょっと高いけれど、自分を元気にしてくれるものには払いたい」という気持ちは、多くの人に共通するものです。
「幸せを買う」消費はどこまで広がるか
Amazing Toy Show Beijing 2025のにぎわいは、「人は何にお金を払うのか」というシンプルな問いを、あらためて突きつけています。生活必需品だけでなく、心を動かしてくれるものにも投資するという考え方は、今後の国際ニュースや経済動向を読み解くうえで、重要な視点のひとつになりそうです。
北京から届いたこのトイショーの風景を、日本の日常やビジネスにどう重ね合わせるか。読者一人ひとりの「自分にとっての感情価値」を考えるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
Amazing Toy Show attracts visitors to pay for emotional value
cgtn.com








