中国・ブラジル・チリが北京から共演 オンラインでつなぐ「生きた文化遺産」 video poster
中国、ブラジル、チリの伝統芸能がオンラインで一堂に会する文化イベント「Cloud Open Day」が、2025年11月7日に北京市で開かれました。デジタル技術を通じて「生きた文化遺産」を共有し合う試みとして注目されています。
オンラインでつながった三か国の舞台
今回の「Cloud Open Day」では、中国、ブラジル、チリのアーティストがライブ映像でつながり、国境を越えた文化ショーケースを共に作り上げました。現地に集まるのではなく、オンライン空間で同時に出演する形で、観客は画面越しに三か国の舞台を行き来しながら楽しむことができました。
漢劇と南米の民俗音楽・ダンスが共演
イベントでは、中国の広東省、湖北省、福建省から参加した漢劇(中国の伝統演劇)の出演者と、ブラジルやチリの民俗音楽家やダンサーたちがオンラインで共演しました。
- 中国側からは、各地の特色ある漢劇の歌や所作が披露されたこと
- ブラジルとチリ側からは、地域に根付いた民俗音楽やダンスが紹介されたこと
といった形で、三か国それぞれの「生活の中で受け継がれてきた芸能」が映像を通じて交差しました。参加者は画面越しに拍手を送り合い、同じ時間を共有することで距離を超えた一体感が生まれたとされています。
「Cloud Open Day」とは何か
「Cloud Open Day」は、国家電網有限公司が2021年から毎年開催しているオンライン型の公開イベントで、2025年の今年で5回目を迎えました。当初からデジタル技術を活用した取り組みとして始まり、現在では文化交流のプラットフォームとして位置づけられています。
今回のように、中国、ブラジル、チリのアーティストが参加することで、単なるオンラインイベントにとどまらず、
- 人と人とのつながり(人的交流)を広げる場
- 相互理解と信頼を育てるきっかけ
- 各国の文化を尊重し合う「対話の場」
として機能していることが特徴です。主催者は、この試みを通じて三か国の人々の絆が強まっているとしています。
「生きた文化遺産」をオンラインで守り、伝える意味
今回のイベントでキーワードとなったのが「生きた文化遺産」という考え方です。これは、博物館に保管される物ではなく、今も人々の暮らしの中で受け継がれている歌や踊り、演劇などを指します。
三か国の伝統芸能をオンラインで共有することには、次のような意味があります。
- 距離や移動コストに左右されず、若い世代を含む幅広い人々がアクセスできる
- 異なる地域の表現を並べて見ることで、自国の文化を新しい視点から捉え直すきっかけになる
- 記録映像として残ることで、後世への継承にもつながる
デジタル配信は「画面越しで薄まる体験」というイメージを持たれがちですが、同じ時間に互いの文化を見合い、コメントやリアクションを交わすことで、むしろ新しい形の「共に居る感覚」が生まれつつあると言えそうです。
なぜ今、越境する文化交流が重要なのか
世界情勢が複雑さを増すなかで、国際ニュースと聞くと政治や経済に目が向きがちです。しかし、人々の相互理解を支えるのは、日常の感覚に近い文化や芸術の交流でもあります。
今回の「Cloud Open Day」が象徴するのは、
- 国境を越えて、お互いの生活や価値観を知る手段としての文化
- 対立ではなく共感を生む情報としての「文化ニュース」
- デジタル技術を使って、遠く離れた地域を身近に感じる新しいコミュニケーションの形
といった側面です。オンラインでの文化交流が続いていけば、日本にいる私たちが、中国やブラジル、チリの舞台をリアルタイムで見て、感想をSNSで共有する、という機会もさらに増えていくかもしれません。
日本の読者にとってのヒント
日本から見ると、中国、ブラジル、チリの三か国は地理的にも文化的にも距離があるように感じられるかもしれません。ですが、「生きた文化遺産」を大切にしながら、デジタル技術で世界とつながろうとする姿勢は、日本の地域文化の継承にも通じるテーマです。
通勤時間のちょっとしたスキマに、こうした国際ニュースに触れてみることは、自分の暮らしや地域の文化を見直す小さなきっかけにもなります。オンラインでの文化イベントが日常のタイムラインに流れ込む時代に、私たちはどんな形で世界とつながりたいのか。今回の「Cloud Open Day」は、そんな問いを静かに投げかけているように見えます。
Reference(s):
cgtn.com








