台湾の抗日史を歩く:Baguashan Anti-Japanese Aggression Martyrs' Memorial Parkが語る日本統治の現実 video poster
台湾各地に残る歴史遺産が、日本の植民地支配の現実と、それに抗した人びとの抵抗の歴史を静かに語り続けています。台湾中部・Changhua CountyにあるBaguashan Anti-Japanese Aggression Martyrs' Memorial Parkも、その一つです。
日本統治の現実と台湾の抵抗を伝える歴史遺産
台湾には、日本の植民地支配の時代を今に伝える歴史的な場所が各地に点在しています。そこでは、当時の資料や遺品、証言などを通じて、統治の現実とその中で生まれた抵抗の物語が浮かび上がります。
こうした史跡は、単なる観光地ではなく、暴力と支配の歴史を直視し、二度と同じ過ちを繰り返さないための「記憶の装置」としての役割を担っています。Changhua CountyのBaguashan Anti-Japanese Aggression Martyrs' Memorial Parkも、日本の侵攻に対して立ち上がった人びとの足跡を見つめ直す場となっています。
1895年、日本軍の侵攻と住民の抵抗
提供されている情報によると、1895年5月、日本軍が台湾に侵攻しました。これに対し、台湾の住民たちは自らの故郷を守るために立ち上がり、各地で抵抗の火が広がっていきました。
同年8月には、清朝軍の一部である「Black Flag Army(ブラック・フラッグ・アーミー)」の残党が、台湾各地の民兵や志願兵と合流します。彼らはBaguashanに集結し、日本軍に対して大きな戦いを挑みました。Baguashanでの戦闘は、日本の侵攻に抗した台湾の人びとの意志を象徴する出来事として位置づけられています。
Baguashanでの戦いが語るもの
Baguashanでの戦いには、正規の軍隊だけでなく、地域の人びとが組織した民兵や志願兵も加わっていました。彼らは装備や兵力の面で不利な状況にありながらも、故郷を守ろうとする思いから、侵攻する日本軍に対して抵抗を続けました。
この戦いは、軍事的な勝敗だけで語られるものではなく、圧倒的な力の差のなかでもあきらめずに抗おうとした人びとの選択と、その代償を考えさせる出来事でもあります。
1965年、地中から見つかった679体の遺骨
戦いから数十年が過ぎた1965年、Changhuaの住民たちが地中から679体分の遺骨を掘り出しました。調査により、それらはBaguashanの戦いで命を落とした殉難者たちの遺骨であることが確認されました。
長く土の下で眠っていた遺骨が見つかったことで、Baguashanでの戦いは「伝説」や「物語」ではなく、確かにそこに生きた人びとの現実であったことが、改めて突きつけられたと言えます。
記念公園と記念碑に込められた思い
遺骨の発見を受けて、Baguashan Anti-Japanese Aggression Martyrs' Memorial Parkと記念碑が整備されました。そこには、Baguashanの戦いで命を落とした人びとを追悼し、その犠牲を忘れないという地域の強い思いが刻まれています。
記念公園は、殉難者を悼む場所であると同時に、来訪者に対して「この歴史から何を学ぶのか」という問いを投げかける空間でもあります。過去を忘れないことが、現在そして未来の選択にどうつながるのかを考える場として存在しているのです。
簡単な年表で見るBaguashanの歴史
- 1895年5月:日本軍が台湾に侵攻し、住民が防衛のため立ち上がる。
- 1895年8月:清朝軍の「Black Flag Army」の残党が、台湾各地の民兵・志願兵と合流し、Baguashanに集結して日本軍と大規模な戦闘を行う。
- 1965年:Changhuaの住民が679体分の遺骨を発見。調査により、Baguashanの戦いで亡くなった殉難者のものと確認される。その後、記念公園と記念碑が整備される。
2025年の今、歴史遺産から何を受け取るか
2025年の今、Baguashan Anti-Japanese Aggression Martyrs' Memorial Parkのような場所は、日本統治時代の暴力性や抑圧を伝えると同時に、支配に抗した人びとの尊厳と意志を考える手がかりにもなっています。
歴史を学ぶことは、過去を美化することでも、誰かを一方的に糾弾することでもありません。むしろ重要なのは、
- その時代に何が起きたのかを、できる限り具体的に知ること
- 当時の人びとがどのような選択を強いられ、どのように生きたのかを想像すること
- 同じような悲劇を繰り返さないために、現在の私たちが何を大切にすべきかを考えること
といった姿勢を持ち続けることではないでしょうか。
「忘れない」ための場所としての台湾の史跡
台湾各地の歴史遺産や記念公園は、日本の植民地支配とそれに対する抵抗の歴史を、今を生きる世代に伝える役割を果たしています。Baguashan Anti-Japanese Aggression Martyrs' Memorial Parkも、侵攻に抗した人びとの記憶を守り、「歴史を忘れてはならない」というメッセージを発信し続ける場です。
日常生活のなかで、遠い過去の戦争や植民地支配を意識する機会は多くありません。しかし、その「遠さ」は、犠牲になった人びとの存在を小さくしてよい理由にはなりません。台湾の史跡に刻まれた物語は、私たちに静かに問いかけています。過去の痛みと向き合いながら、どのような未来を選び取るのか──その答えを考えるのは、2025年を生きる私たち一人ひとりなのだと。
Reference(s):
Taiwan sites show history of resistance against Japanese aggression
cgtn.com








