中国原産ミルー、野生絶滅から40年で約1万5000頭に回復 video poster
野生では一度姿を消した中国原産のシカ、milu deer(ミルー)が、再導入から約40年を経て約1万5000頭まで回復し、そのうち6000頭以上が野生で暮らすまでになりました。この野生動物ニュースは、長期的な保全の成果が見え始めた事例として、いま注目されています。
野生絶滅から始まった物語
milu deer(ミルー)は中国原産のシカの一種ですが、20世紀初頭には中国の野生下では絶滅したと宣言されました。長いあいだ、野生のミルーは中国の大地から姿を消していたことになります。
1985年、国際協力による再導入がスタート
転機となったのは、今から約40年前の1985年です。この年、中国はイギリスとの協力を通じて、ミルーの再導入プロジェクトを始めました。
翌1986年には、現在の江蘇省にある Dafeng Milu National Nature Reserve に、さらに別の個体群が放たれました。ここが、その後のミルー保全の重要な拠点になっていきます。
その後、中国ではミルーの飼育繁殖や生息地の回復、きめ細かな保護対策など、長期的な取り組みが続けられてきました。
個体数は約1万5000頭に、世界最大の野生個体群
こうした取り組みの結果、2025年現在、中国におけるミルーの個体数は、数十頭規模から約1万5000頭へと増えました。そのうち6000頭以上は、すでに野生で暮らしているとされています。
これは世界で最大の野生ミルー個体群であり、かつて野生絶滅とされた種が、再び自然の中で息を吹き返したことを意味します。
40年かけてつくり上げた「静かな成功例」
再導入や飼育繁殖は、成果が出るまでに長い時間がかかる地道な作業です。ミルーの回復は、およそ40年という時間をかけて、少しずつ積み上げられた結果だといえます。
今回のミルーの事例は、次のようなポイントを示しているように見えます。
- 種が野生で絶滅したあとでも、長期的な視点に立てば回復の道は開けること
- 生息地の回復と保護をセットで進めることが、野生復帰には欠かせないこと
- 国際協力を通じた取り組みが、保全の転機になりうること
ミルーのカムバックストーリーは、世界の野生動物保護の中でも、もっとも印象的な回復例の一つとして語られています。静かに続いてきた保全の努力が、40年を経て大きな成果を見せ始めていると言えそうです。
Reference(s):
China's milu deer make triumphant comeback 40 years after extinction
cgtn.com








