中国本土・雲南省大理の色彩文化:土の絵と藍の絞り染めが語る土地の物語 video poster
中国本土の雲南省にある大理(だいり)は、「ゆっくりした暮らし」を求める人々に選ばれる行き先として知られています。この地で暮らすバイ(白)族が、自然の色を「筆」と「針」で写し取ってきた文化が、あらためて注目されています。
大理はバイ(白)族の大きな居住地
大理は雲南省に位置し、バイ族が多く暮らす地域のひとつです。旅先としても、慌ただしさから少し距離を置きたい人々にとって魅力的な場所だと語られてきました。
「白(Bai)」が象徴するもの:尊厳と純粋さ
中国語で「Bai」は「白」を意味し、バイ族にとっては尊厳や純粋さを象徴するとされています。色の物語は、まずこの“白”の感覚から始まります。白は単なる無彩色ではなく、周囲の色を引き立て、自然の移ろいを受け止める「余白」にもなり得ます。
色を操る人々:筆と糸で自然を写す
バイ族は色彩の使い方で知られ、自然の色を絵(筆致)と染織(縫い・染め)の両方で表現してきました。土、植物、光と影。土地そのものが、色のパレットとして扱われています。
高地の土で描く「農民画」——絵の具が大地から来る感覚
大理の色彩文化を語るうえで象徴的なのが、高地の土を用いて描く絵の表現です。絵の具の代わりに土のニュアンスを取り込み、土地の質感をそのまま画面に持ち込む発想は、「景色を描く」というより「景色の一部で描く」感覚に近いのかもしれません。
- 素材が土地に結びつくため、色が“その場所の記憶”を帯びやすい
- 自然の色を、誇張よりも実感として捉えやすい
藍の絞り染め(タイダイ)——にじみと輪郭が作る青
もうひとつの柱が、藍(インディゴ)による絞り染めです。布を縛ったり締めたりして染料の入り方に差をつくることで、模様が生まれます。染めの「偶然性」と、縛りの「設計」が同居する技法で、自然の雲や水面のような表情が出ることもあります。
- 同じ型でも、染まり方の差で一点ごとの表情が変わる
- 青の濃淡が、土地の空気感や自然観と重なりやすい
土の赤みと藍の青み:対照的な色が同じ「根」を持つ
土で描く絵と、藍で染める布。一見すると別世界の表現ですが、どちらも「自然の色を取り出す」という点でつながっています。色を“買う”のではなく、土地や自然の中から“受け取る”——そんな発想が、大理の手仕事を貫いているように見えます。
2025年のいま、なぜこの話が響くのか
2025年の年末を迎え、生活の速度や働き方を見直す空気は、オンライン上でも日常の会話でも続いています。大理が「スローなライフスタイル」を求める人々に選ばれてきたという文脈は、観光の話にとどまらず、色や手仕事を通じて“土地と暮らしの距離感”を考えるきっかけにもなりそうです。
土の粒子が残す手触りと、藍の青がつくる余韻。大理の色彩文化は、派手な主張ではなく、静かな深呼吸のように、見る側の感覚を整えていきます。
Reference(s):
cgtn.com








