雲南・大理の民間画家たち:白族の暮らしを描く10年の記録 video poster
中国本土・雲南省大理の洱海(アルハイ)湖畔の小さな村で、絵筆を握ったことのなかった女性たちが“自分たちの暮らし”を描き始めました。10年以上前に始まったこの取り組みは、村の日常と白族文化を、静かにしかし確かに遠くまで届けています。
上海のアーティストが村に移り住んだ日から
今から10年以上前、上海のアーティスト・沈建華(シェン・ジエンホア)さんは、中国本土・雲南省大理の洱海湖畔にある火山村へ移住しました。そこで「白族民間芸術スタジオ(Bai Folk Art Studio)」を立ち上げ、地元の人々に絵を教え始めます。
教室に集まったのは、絵筆を手にした経験がほとんどない人が大半でした。それでも、村の生活を“自分の目線で”描き留めるという目的が、少しずつ輪郭を持っていきます。
キャンバスに残る、村の記憶
彼女たちの絵の土台にあるのは、特別な出来事ではなく、毎日の風景です。家のこと、村の営み、季節の移ろい。そこに白族の文化的モチーフが重なり、作品は「生活の記録」であると同時に「文化の手ざわり」になっていきました。
- 日々の場面を切り取った、等身大の視点
- 白族文化のモチーフが織り込まれた表現
- 村の時間を保存するような、素朴で強い記録性
「収入」だけではない、“声”としての絵
この絵は、女性たちにとって収入の道にもなりました。しかし、それ以上に大きいのは「語る手段」を得たことかもしれません。言葉にしにくい思いも、説明しきれない生活の細部も、色と形なら置いていける。キャンバスは、彼女たちが自分の物語を自分で提示する場所になりました。
印象的なのは、作品が村の外へ届いていった点です。村で生まれた日常の絵が、遠く離れた場所の人にも見られることで、個人の経験が“共有可能な記憶”に変わっていきます。
いま(2026年1月)、このニュースが示すもの
変化の速度が上がる時代に、暮らしの細部を自分たちの手で記録することは、地域の文化や家族の記憶を守る一つの方法にもなります。大げさなスローガンではなく、「今日の一日」を描き残す積み重ねが、結果として村の歴史になっていく――火山村の絵は、そのことを静かに伝えています。
シェア用の一文:「絵筆を持ったことのなかった女性たちが、村の日常を描き、白族の記憶を“外”へ届けている。」
Reference(s):
Meet the folk painters of Yunnan: Their life stories, told in paint
cgtn.com








