中国本土・重慶の大足石刻、10万体超が刻む「三教」の知恵とは video poster
中国本土・重慶に残る「大足石刻(だいそくせっこく)」が、いま静かに注目を集めています。9〜13世紀にかけて崖面に刻まれた10万体を超える像が、仏教・道教・儒教の考え方を織り込みながら、約1000年前の社会と哲学を生き生きと映し出すからです。
大足石刻とは:崖に刻まれた“洞窟芸術”の到達点
大足石刻は、洞窟芸術の歴史における「最後のモニュメントの一つ」と認識されている存在です。9世紀から13世紀にかけて、崖の岩肌に彫り込まれた膨大な彫刻群は、この芸術伝統が成熟段階に達していたことを示すものだとされています。
10万体超の像が語る、仏教・道教・儒教の“交差”
特筆されるのは、その数と内容です。10万体を超える像が、仏教・道教・儒教の思想を織り交ぜるように表現し、単一の教えに閉じない世界観をかたちにしています。
- 仏教のイメージ
- 道教のイメージ
- 儒教のイメージ
三つの思想が同じ岩肌の上で絡み合う構図は、当時の人々の価値観が一枚岩ではなく、複数の考え方を参照しながら組み立てられていた可能性を想像させます。
「1000年前の中国社会と哲学」をのぞく窓
大足石刻は、約1000年前の中国社会と哲学を読み解くための「鮮やかな窓」とも表現されています。文字資料だけでは捉えきれない、当時の人々が何を大切にし、どんな世界観を共有していたのか――その手触りが、彫刻という視覚表現を通じて立ち上がります。
2026年1月のいま、石に刻まれた“複線の思考”が響く理由
2026年の現在、情報は短く切り取られ、結論が急がれがちです。そんな時代に、複数の思想が同居する大足石刻のあり方は、「矛盾を抱えたまま理解を深める」姿勢そのものを思い出させます。崖面に刻まれた像の密度は、答えを急がず、背景や文脈に目を凝らすことの価値を静かに示しているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








