春節目前、中国本土で伝統提灯づくり加速 北京の宮灯と潮州の彩灯 video poster
春節(旧正月)が近づく中、中国本土では祝祭の象徴でもある「提灯」づくりが一気に忙しさを増しています。都市の工房から地域の職人街まで、手仕事の灯りが“年の始まり”の空気を形にしようとしています。
春節の風景をつくる「提灯」需要がピークへ
提灯は、街角の装飾から家庭の飾りまで幅広く使われる春節の定番です。今年も需要が高まるタイミングに合わせ、各地の職人たちが注文に応える形で生産を急いでいます。機械で量産しやすい製品が増える一方、手作りならではの質感や意匠を求める声も根強いといいます。
北京:宮灯に詰まった「構造」と「絵」の技
北京では、北京の「北京工芸紅灯籠廠」で職人が宮灯(きゅうとう)と呼ばれる提灯の制作に追われています。宮灯は、落ち着いた造形と精緻なつくりで知られ、装飾としての華やかさと工芸としての強度を両立させるのが特徴です。
宮灯の主な特徴
- 木製フレームを土台にした立体的な構造
- 絹やガラスのはめ込み(インレイ)による光の表情
- 手描きの図柄で仕上げる装飾性
- 釘を使わない「ほぞ組み(mortise-and-tenon)」による組み立て
釘を使わずに組み上げる構造は、見た目の美しさだけでなく、長く使うための知恵でもあります。春節の飾りとしての役割に加えて、「つくりそのもの」が鑑賞対象になる工芸品だといえます。
広東省・潮州:地域色を映す“吊るす”提灯
広東省潮州では、提灯がより強い地域色をまといます。彩色されたスクリーン(絵入りの面)や吊り下げ型のスタイルが目立ち、潮州劇の要素や刺繍のモチーフを取り入れた意匠もみられるとされています。
同じ「春節の提灯」でも、形や飾り方、絵柄の選び方に土地の文化がにじむのが面白いところです。提灯が“照明”であると同時に、地域の記憶を運ぶメディアになっているようにも見えます。
手仕事の提灯が照らす、いまの季節感
需要のピークを迎えるこの時期、提灯は単なる装飾品以上の存在感を持ちます。家族の団らん、街のにぎわい、舞台芸能や工芸の蓄積──そうした要素が、灯りの周りに集まっていくからです。春節を前にした工房の慌ただしさは、文化の継承が“特別な行事”ではなく、日々の手作業で支えられていることを静かに伝えています。
Reference(s):
cgtn.com








