馬年目前、中国本土・雲南の「甲馬」木版画が彩る白(バイ)族の祈り
2026年2月現在、馬年を迎える準備が進む中、中国本土・雲南省大理市では、白(バイ)族の祝いに欠かせない伝統の木版画「甲馬(ジアマ)」が静かに存在感を増しています。千年続くとされるこの技法は、いまも職人の手で一枚ずつ刷られています。
「甲馬(ジアマ)」とは?祝いの場に寄り添う木版画
甲馬は、白(バイ)族の暮らしや節目の行事と結びついてきた木版画の一種です。特に新年の祝いの時期には、伝統的な意匠があしらわれた刷り物が用いられ、家や場を整える「いつもの風景」をつくってきました。
馬の図柄が主役になる理由
今回の馬年を前に、甲馬で目立つのが馬のモチーフです。木の板に彫り出された馬は、軽やかな線とリズムのある模様で表現され、祝祭の高揚感とともに、日々の願いごとを受け止める器にもなっています。
継承者・張仁華さんの工房で起きていること
大理でこの技を受け継ぐ代表的な継承者の一人が、張仁華(ジャン・レンホア)さんです。木の香りが残る工房で、張さんはのみを使い、木の板に馬の輪郭や装飾を少しずつ彫り進めていきます。
木版画ができるまで(工房の手順)
- 木の板に、馬の図柄を彫る
- 彫り上げた板の表面に黒い顔料を刷り込む
- 紙を重ね、圧をかけて図柄を紙へ写し取る
工程は単純に見えても、線の太さ、彫りの深さ、顔料の含ませ方、紙の当て方で仕上がりは変わります。印刷物が溢れる時代だからこそ、わずかな「手の差」が、そのまま一枚の表情になります。
なぜ今、このニュースが気になるのか
旧暦の新年を前に、地域の伝統が「準備の段階」から立ち上がってくると、文化は展示物ではなく、生活の技術として見えてきます。甲馬は、行事の装飾であると同時に、手を動かす人、受け取る人、場を整える人がいて初めて成立する共同作業でもあります。
馬年を迎えるこのタイミングは、祝祭の華やかさの裏側で、技をつないできた人びとの時間が今も続いていることを思い出させます。
Reference(s):
Jiama: The thousand-year-old woodcut tradition of the Bai people
cgtn.com








