2026年の中国の「両会」(全国両会)の場で、文化をどう世界に届けるかが静かに注目を集めています。全国政治協商会議(CPPCC)の文化・芸術分野の委員によるグループ討議で、北京人民芸術劇院の院長・馮遠征(フォン・ユエンチェン)氏が「文化的自信」と、中国の深い文化遺産をグローバルな観客に示す重要性を強調しました。
両会の討議で交わされた「文化の届け方」
今回の発言は、両会の関連日程の一つであるCPPCC委員のグループ討議のなかで取り上げられました。現場ではCGTNの記者・楊燕(ヤン・イエン)氏が馮氏にインタビューし、文化をめぐる問題意識が言葉として可視化された形です。
キーワードは「文化的自信」と「深い文化遺産」
馮氏が強調したのは、大きく分けて次の2点です。
- 文化的自信を堅持すること:自国の文化を自分たちで信じ、支える姿勢を明確にする
- 深い文化遺産を世界の観客に示すこと:国内で完結させず、国境を越えて理解される形へと伝えていく
ここで言う「示す」は、単に情報を翻訳して届けるだけでなく、舞台芸術を含む表現の力で“体験として届く”形に整えていくことも含む、と受け止められます。
なぜいま「世界に向けた文化発信」が語られるのか
両会は政策や社会の優先順位がにじみ出るタイミングでもあります。文化・芸術分野の討議で「グローバルな観客」が明示的に言及されたことは、文化が内向きの話題にとどまらず、対外的なコミュニケーションのテーマとしても扱われていることを示します。
舞台芸術が担う役割
北京人民芸術劇院の院長である馮氏の発言が象徴するのは、文化の議論が抽象論だけでなく、実際に人が集まり、同じ時間を共有する「場」(劇場や公演)とも接続している点です。言葉や制度だけでは届きにくいニュアンスを、作品や上演が補う——そうした発想が背景にあるとも読めます。
この発言が投げかける問い
「深い文化遺産」を世界に届けるとき、何を守り、何を変えるのか。あるいは、観客が異なる文化背景を持つとき、どんな説明や表現が橋渡しになるのか。今回のインタビューは、答えを断定するというより、こうした設計の問いを前面に押し出した出来事として印象に残ります。
Reference(s):
Showcasing Chinese culture's profound heritage to global audiences
cgtn.com








