スペイン洪水 行方不明者捜索に研究船投入 地中海で車両を海底調査
スペインで先週発生した大規模洪水の行方不明者を捜索するため、海洋研究船が通常の研究ミッションを中断し、地中海での「捜索船」として投入されています。
海洋研究船が急きょ捜索任務に
海洋生態系を調査してきたスペインの研究船「ラモン・マルガレフ」が、洪水被害への対応のために急きょ任務を変更しました。ふだんは海の環境を詳しく調べるこの船が、今回は行方不明者の捜索を支える役割を担います。
乗組員24人は金曜日、船に搭載した各種センサーや遠隔操作型の潜水ロボットを使い、沖合の36平方キロメートルの海域を調査する準備を進めていました。この面積はサッカー場に換算すると5,000面以上に相当します。
地中海の海底に沈んだ車両を探す
今回の捜索の狙いは、先週の壊滅的な洪水によって地中海に流された車両を見つけ出すことです。研究船のセンサーと潜水ロボットで海底を詳しく調べ、沈んだ車両の位置をマッピング(地図化)していきます。
当局は、車両の位置情報が犠牲者の遺体発見につながる可能性があるとみています。洪水で車ごと流されたケースもある中、海底に沈んだ車両をたどることが行方不明者を見つける手がかりになると期待されています。
被害の規模と「見えない行方不明者」
当局によると、今回の洪水ではこれまでに200人を超える死者が確認されています。一方で、公式に行方不明者とされている人はおよそ100人に上ります。
当局は、公式に把握されていない行方不明者がさらにいる可能性も認めています。そのため、実際の行方不明者は、現在公表されている数字より多くなるおそれがあります。
科学インフラを災害対応に生かす試み
今回の取り組みは、もともと研究目的で運用されてきた船や機器が、災害対応に転用される一例でもあります。地形を高精度に把握できる探査装置や潜水ロボットは、今回のように、人命救助や遺体の捜索でも力を発揮しうることが示されています。
行方不明者の家族にとっては、一刻も早く状況を知りたいという思いがあります。海底のどこに何が沈んでいるのかを「見える化」する今回の調査は、悲劇の全体像を少しでも明らかにしようとする試みだと言えます。
これから何が問われるのか
地中海での調査がどこまで成果を上げられるかは、まだ分かりません。それでも、研究船を災害対応に振り向けた判断は、今後起こりうる大規模災害に社会がどう備えるのかという問いを突きつけています。
今回のスペイン洪水では、
- 海洋研究船が行方不明者捜索に投入されたこと
- 36平方キロメートルに及ぶ広大な海域を調査していること
- 200人を超える死者と、約100人の行方不明者が確認されていること
といった点が、国際ニュースとしても注目されています。災害の「その後」をどう追いかけ、行方不明者一人ひとりに向き合っていくのか。スペインの試みは、私たちにとっても他人事ではないテーマを投げかけています。
Reference(s):
Spanish research vessel to search for people missing in floods
cgtn.com








