ベネズエラから氷河が消えた:ラテンアメリカ初の「氷河ゼロ」国が示す警告 video poster
ベネズエラ、ラテンアメリカ初の「氷河ゼロ」の国に
ベネズエラで、国内に残っていた最後の氷河が2025年初めに「氷河」ではなく「氷原」として再分類されました。この結果、同国はラテンアメリカで初めて、すべての氷河を失った国になったと伝えられています。地球温暖化の影響が、目に見えるかたちで山岳景観を変えている象徴的なニュースです。
最後の氷河はなぜ「氷原」に格下げされたのか
今回「最後の氷河」とされた場所は、かつては年間を通じて大量の氷が蓄えられ、下流へとゆっくり流れ出す典型的な氷河でした。しかし、温暖化による気温上昇や降雪量の変化などで氷の量が減り続け、もはや本来の意味での氷河とは呼べない規模になったと判断され、氷原として扱われるようになったとされています。
氷原とは、地形の起伏を覆うように広がる氷の「なだらかなかたまり」を指す言葉です。氷河と比べると流動性が小さく、規模も限られる場合が多いとされます。名称の違いは専門的な区分に見えますが、それは同時に、長期的な気候変化が山の上で現実に進んでいることの「ラベル替え」でもあります。
地球温暖化が変えた山の風景
ベネズエラで起きたこの変化は、地球温暖化がもたらす影響として説明されています。氷河が縮小し、ついに消えてしまうと、山肌の色や質感は大きく変わります。白く輝いていた氷の代わりに、むき出しの岩や土が姿を現し、周囲の景観はこれまでとまったく違うものになります。
氷河は、地域の気候や水循環を安定させる重要な存在でもあります。その消失は、単に風景の問題だけではなく、人が住む環境や生態系の変化につながる可能性があると指摘されています。ラテンアメリカで初めて「氷河ゼロ」となったベネズエラは、こうしたリスクを最前線で経験する国のひとつになりました。
メリダから伝えられる「最前線」の現実
この出来事について、CGTNのステファン・ギブス記者がベネズエラの都市メリダから現地リポートを行っています。かつて氷河を見上げて暮らしていた人々にとって、山の姿が急速に変わっていくことは、大きな喪失感を伴う出来事だと考えられます。
氷河の消失は、必ずしも突然のニュースではありません。長年続いてきた縮小の「終着点」として、ある時点で統計上「ゼロ」になるだけです。しかし、その区切りの瞬間は、地球温暖化をめぐる議論に具体的なイメージを与え、「今まさに進行している変化」への実感を強めます。
私たちはこのニュースをどう受け止めるか
ベネズエラがラテンアメリカで最初に全ての氷河を失ったという事実は、遠い国の出来事のように感じられるかもしれません。それでも、地球温暖化が世界のさまざまな地域で現実の変化として表れている一例として、私たちが向き合うべきニュースです。
私たち一人ひとりにできることは限られているように見えますが、まずはこうした国際ニュースに関心を持ち、何が起きているのかを知ることが出発点になります。そのうえで、エネルギーの使い方や移動手段、日々の消費行動を見直す取り組みは、小さくとも確かな一歩です。
- 気候変動に関するニュースや解説に継続的に触れる
- エネルギーや資源を無駄にしない生活習慣を意識する
- 身近な人と「なぜ氷河が消えるのか」を話題にして共有する
ベネズエラの「最後の氷河」が氷原へと姿を変えたというニュースは、地球温暖化を抽象的な数字ではなく、具体的な風景の変化として捉え直すきっかけを与えてくれます。2025年の今、私たちがこの出来事をどう記憶し、どんな行動につなげていくのかが問われています。
Reference(s):
cgtn.com








