世界最高齢の野生アホウドリ、74歳で再び産卵 ハワイ・ミッドウェー環礁
世界で最も高齢の野生の鳥とされるアホウドリ「ウィズダム」が、ハワイのミッドウェー環礁で推定74歳にして卵を産んだことが分かりました。約4年ぶりとされる産卵で、専門家はこの卵がふ化する可能性に期待を寄せています。
ハワイのミッドウェー環礁で起きた「74歳の新しい命」
米国の野生生物当局によると、アホウドリのウィズダムは、ハワイ諸島の北西端に位置するミッドウェー環礁国立野生生物保護区に戻り、卵を1つ産みました。今週、米国魚類野生生物局(U.S. Fish & Wildlife Service)太平洋地域がSNS投稿で明らかにしています。
ウィズダムはレイサンアホウドリという種類の海鳥で、これまでに推定でおよそ60個目となる卵を産んだ可能性があるとされています。今回の卵は、彼女にとって約4年ぶりの産卵とみられています。
「ウィズダム」とパートナーたちの物語
ウィズダムは長年、同じパートナーであるオスのアホウドリ「アケアカマイ」とともに、このミッドウェー環礁に戻っては産卵と子育てを繰り返してきました。両者は少なくとも2006年以降、毎年のようにこの場所で卵を産み、ひなを育ててきたとされています。
レイサンアホウドリは、基本的に一生同じ相手とつがいになる習性があり、1年に1個だけ卵を産むとされています。しかし、アケアカマイはここ数年姿が確認されていません。そのためウィズダムは、今シーズン保護区に戻ってきた際、別のオスと行動をともにする様子が観察されました。
専門家は「ふ化に期待」
ミッドウェー環礁国立野生生物保護区の野生生物学者、ジョナサン・プリスナー氏は声明で、今回の卵について「ふ化することを楽観視している」とコメントしています。保護区には毎年、数百万羽もの海鳥が戻り、巣を作り、ひなを育てますが、その中でもウィズダムの存在はひときわ象徴的な存在になっています。
なぜ「74歳の産卵」が国際ニュースになるのか
今回のニュースは、一羽の海鳥の記録にとどまらず、国際ニュースとしても注目を集めています。その背景には、次のようなポイントがあります。
- 世界で最も高齢の野生の鳥とされる個体が、今もなお繁殖活動を続けていること
- 長寿の野生動物の存在が、保護区の環境が長期にわたり機能している指標にもなりうること
- 気候変動や海洋環境の変化が懸念される中で、海鳥の繁殖状況が生態系の「健康診断」のような役割を持つこと
人間社会でも高齢化がキーワードになる中、「年齢を重ねてもなお、次の世代へ命をつなぐ」というウィズダムの姿は、多くの人に印象深く受け止められています。
ミッドウェー環礁が担う役割
ウィズダムが卵を産んだミッドウェー環礁国立野生生物保護区は、太平洋の真ん中に位置し、数百万羽の海鳥が毎年戻ってくる重要な繁殖地です。人が暮らす都市からは遠く離れていますが、ここで起きている変化は、地球規模の環境変動と無関係ではありません。
ウィズダムのような個体の長期的な観察は、海鳥の寿命や繁殖パターンを知るだけでなく、海の環境変化が生き物にどう影響しているのかを考える手がかりにもなります。
私たちがこのニュースから考えたいこと
推定74歳のアホウドリが再び卵を産んだという事実は、単なる「驚きの話題」で終わらせるには惜しい出来事です。ウィズダムの記録は、次のような問いを私たちに投げかけています。
- 人間の活動は、遠く離れた海鳥の繁殖地にどのような影響を与えているのか
- 長い時間軸で自然環境を見守ることの重要性を、私たちはどこまで意識できているのか
- 高齢になっても役割を果たし続ける存在を、社会はどう受け止めるべきか
ウィズダムの卵が無事にふ化するかどうかは、これから明らかになっていきます。その行方を見守ることは、地球のどこかで静かに続いている「いのちのバトンリレー」に、私たちもそっと意識を向けるきっかけになるかもしれません。
Reference(s):
World's oldest-known albatross lays an egg in Hawaii at age 74
cgtn.com








