オーストラリア発・遺伝子組み換え蚊でデング熱などと戦う新ベンチャー
オーストラリアの国立科学機関が、デング熱やジカウイルス、黄熱などの感染症を媒介する蚊と戦うため、新たなベンチャー企業を立ち上げました。遺伝子組み換えのオス蚊を利用して害となるメスの数を減らすという、国際ニュースとしても注目される取り組みです。
蚊が媒介する感染症に挑む新ベンチャー
オーストラリアの国立科学機関であるCSIROは、英国のバイオテクノロジー企業Oxitecと協力し、新会社「Oxitec Australia」を設立しました。現地時間の火曜日に発表されたこの共同事業は、病気を運ぶ蚊の数を減らすことを目的としています。
Oxitec Australiaは、太平洋地域で問題となっているウイルス媒介蚊に狙いを定め、デング熱、ジカウイルス、黄熱の拡大を防ぐことを目指しています。
ターゲットは危険度の高い蚊2種類
今回の取り組みが焦点を当てるのは、太平洋地域でウイルスを運ぶ蚊の中でも特に危険とされる2種です。学名でそれぞれAedes aegypti、Aedes albopictusと呼ばれる蚊で、いずれも人にウイルスを広げる主な媒介者と位置づけられています。
これらの蚊が媒介するとされるのが、次のような感染症です。
- デング熱(dengue fever)
- ジカウイルス感染症(Zika virus)
- 黄熱(yellow fever)
いずれも、流行すると大きな負担となりうる感染症であり、そのリスクをどう抑えるかは国際ニュースの重要なテーマになっています。
遺伝子組み換えオス蚊のしくみ
Oxitec Australiaの特徴は、遺伝子組み換えのオス蚊を野外に放つという点です。遺伝子組み換えとは、生物の遺伝子に人が手を加える技術のことです。
この共同事業では、特定の遺伝子を持つオスの蚊を放出し、その遺伝子によって害となるメスの蚊の数を減らすことを狙います。これにより、ウイルスを運ぶ蚊の個体数そのものをコントロールしようという発想です。
感染症対策としての意義とこれからの論点
蚊が媒介する感染症は、世界各地で健康と暮らしに影響しうる課題です。今回のように、蚊そのものを標的にした遺伝子技術を活用する発想は、従来の対策とは異なる新たな選択肢として位置づけられます。
一方で、遺伝子組み換え生物を自然環境に放つ取り組みは、環境への影響や倫理的な観点など、社会的な議論も伴います。Oxitec Australiaの動きは、今後どのような成果を上げるのかと同時に、ルールづくりや合意形成のあり方という点でも注目されそうです。
私たちがこのニュースから考えられること
スマートフォンで日々ニュースを追う私たちにとっても、このオーストラリア発の取り組みは他人事ではありません。次のような問いを投げかけていると言えるでしょう。
- 感染症対策として、どこまで遺伝子技術を活用してよいのか
- 新しい技術のメリットと、環境や社会への懸念をどうバランスさせるのか
- 国際ニュースとして、各国や地域がどのように連携していくべきなのか
短く伝えられるニュースの背後には、こうした長期的なテーマが潜んでいます。家族や友人、オンラインコミュニティとの会話の中で、このニュースをきっかけに「これからの感染症対策」について話してみるのもよいかもしれません。
Reference(s):
New Australian venture to target deadly disease-spreading mosquitoes
cgtn.com








