ボストンの川で油流出事故 ガンやカモ数十羽が被害、救助続く
米ボストン近郊の川で油流出事故が起き、ガンやカモなどの水鳥が油まみれになる被害が出ています。現在も、野生動物の救助チームが保護と洗浄作業を続けています。
ボストンとブルックラインの境界にある川で油流出
現地時間7日(日)正午過ぎ、米マサチューセッツ州ボストンと隣町ブルックラインの境界を流れるマディ・リバー(Muddy River)で、油漏れの可能性があるとの通報がありました。
ブルックライン警察によると、通報を受けて警察と消防が現場に駆けつけたところ、川に油状の物質が流れ込み、野生生物に影響が出ていることが確認されました。特に、川に生息する多数のカモやガンが油でずぶ濡れになっていたということです。
数十羽のガンやカモ、救助と洗浄が続く
その後、州の環境当局や野生動物の救護団体が現場に入り、影響を受けた鳥の保護活動を開始しました。油をかぶったガンやカモは数十羽にのぼるとされ、専門家が保護と治療にあたっています。
現地時間8日(月)も、関係機関は川沿いをくまなく捜索し、新たに見つかった鳥を安全な場所へ運び、専用の洗浄施設で体を洗う作業を続けています。
油に濡れた鳥の何が危険なのか
今回のような油流出事故では、目に見える「汚れ」以上に、鳥の命を脅かす深刻な影響が出ます。
- 羽毛が油で固まり、体温を保てなくなる
- 飛んだり泳いだりする力が落ち、餌をとれなくなる
- くちばしで羽づくろいをする際に油を飲み込み、内臓にダメージを受ける
- 長時間の冷えや空腹で、体力を奪われてしまう
こうした理由から、油にまみれた鳥は一刻も早く保護し、体を洗い、体温と体力を回復させる必要があります。
現場で行われる救助とケア
野生動物の救助現場では、一般的に次のような手順で対応が行われます。
- まずは現場で鳥を安全に捕獲し、ストレスを最小限に抑えながら保護する
- 保温できる場所に移し、体温を安定させる
- 専用の洗浄液やぬるま湯を使い、複数回に分けて丁寧に油を洗い流す
- 体が乾いた後も一定期間観察し、飛ぶ・泳ぐ・餌を食べるといった行動が正常に戻るか確認する
ボストン近郊の現場でも、こうしたプロセスに沿って対応が進められているとみられます。
都市の川が抱える環境リスク
マディ・リバーのような都市部の川は、周囲に道路や建物、インフラが集中しているため、ひとたび油や化学物質が流出すると、短時間で広い範囲の生態系に影響が及びます。
とくに、水鳥のように人の生活圏のすぐそばで暮らす生き物は、事故が起きたときの「最初の被害者」になりがちです。今回の事故は、日常生活のすぐ隣にある自然環境がいかに脆く、同時に人間の対応力に支えられているかを改めて示したと言えます。
私たちにできることは何か
日本から遠く離れたボストンでの出来事ですが、都市と自然が近接するという意味では、日本の多くの街とも共通する課題を投げかけています。
- 身近な川や海で異常なにおいや変色を見つけたら、自治体などに通報する
- 油や洗剤などを排水口に流さず、地域のルールに沿って処理する
- 野生動物保護や環境保全に取り組む団体の活動に関心を持ち、情報を共有する
ボストンのマディ・リバーで続く鳥たちの救助活動は、私たち自身の暮らしと環境のつながりを見つめ直すきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
Rescuers rush to save birds soaked in oil due to spill in Boston river
cgtn.com








