ロサンゼルスで大規模山火事 少なくとも10人死亡
米ロサンゼルスで複数の大規模な山火事が発生し、少なくとも10人が死亡、およそ1万棟の住宅や建物が焼失しました。被害額は最大1,500億ドルに達するとの試算も出ており、地域社会への打撃は深刻です。
同時多発する5つの山火事
当局によると、ロサンゼルス郡では少なくとも5つの山火事が発生しており、発生から3夜目に入った現地時間木曜日も燃え続けました。乾いた砂漠から吹きつける風が炎をさらにあおったとされています。
市西部のサンタモニカとマリブの間で燃えている「パリセーズ火災」と、東部パサデナ近くの「イートン火災」は、すでにロサンゼルス史上最も破壊的な山火事の一つとされています。両火災は、これまでに少なくとも約3万4,000エーカー(約1万3,750ヘクタール)、およそ53平方マイルを焼き尽くし、丸ごと灰となった住宅地も出ています。
パリセーズ火災とイートン火災の鎮火は道半ば
木曜日の時点で、最大規模とされるパリセーズ火災の鎮火率はわずか6%、イートン火災は0%とされています。上空では消火剤や水を散布する航空機がひっきりなしに飛び交い、丘陵地帯一帯で消火活動が続けられました。
カナダから貸与されている大型の消火航空機「スーパー・スクーパー」は、パリセーズ火災付近で無許可の民間ドローンと接触し損傷したため、運用を停止せざるをえませんでした。けが人は報告されていませんが、現場上空の安全確保が課題となっています。
有名人も避難 高級住宅地やゲーテッドコミュニティも被害
ロサンゼルスの海沿いの高級住宅地でも、山火事が一気に燃え広がりました。夜間のうちに炎が迫り、多くの住民が車や徒歩で避難を余儀なくされ、ハリウッドの著名人もその中に含まれていたと伝えられています。
木曜日には、米国でも有数の富裕層地域とされるカラバサス近郊で、新たな「ケネス火災」が発生しました。この火災は、セレブの邸宅やゲーテッドコミュニティが集まる地域を脅かし、数時間のうちに約960エーカー(約388ヘクタール)まで拡大したとされています。
少なくとも10人死亡 当局は犠牲者増加を懸念
ロサンゼルス郡検視局は、現地時間木曜日遅くに最新の状況を発表し、これまでに少なくとも10人の死亡を確認したと明らかにしました。犠牲者の身元や詳細については、まだ公表されていません。
ロサンゼルス郡のロバート・ルナ保安官は、記者会見で犠牲者数はさらに増える可能性が高いとの見方を示しました。ルナ氏は被災地の様子について「原子爆弾が落ちたような光景だ」と述べ、「良いニュースは期待できない。その数字を知るのが怖い」と、被害の深刻さをにじませています。
被害額は最大1,500億ドル 復旧と保険への影響
民間気象会社のアキュウェザーは、今回の山火事による物的被害と経済損失の合計を1,350億〜1,500億ドルと試算しています。この規模の損失は、復旧に長い時間がかかること、そして今後、住宅所有者の保険料が大幅に上昇する可能性を示唆しています。
地域経済や雇用への波及も避けられず、多くの住民にとって自宅の再建だけでなく生活基盤そのものの立て直しが課題となりそうです。
連邦政府と自治体の対応、政治の動き
ロサンゼルスのカレン・バス市長は「すでにロサンゼルス市の再建に向けて積極的に動き始めている」と述べ、早期の復興に意欲を示しました。一方で、今回の対応をめぐっては、ドナルド・トランプ次期大統領や共和党から批判の声も上がっており、災害対応が政治的な論争の火種にもなっています。
ジョー・バイデン大統領は火災発生後の火曜日に大規模災害を宣言し、木曜日には、今後180日間の復旧費用について連邦政府が100%を負担すると約束しました。対象となるのは、がれきや有害物質の除去、一時的な避難所の運営、そして消防など初動対応にあたる職員の給与です。バイデン氏はホワイトハウスで側近と協議した後、「知事や地元当局には、火災を封じ込めるために必要なことは何でも、費用を惜しまずに実行してほしいと伝えた」と述べています。
誤送信された避難通知が映す不安な街
緊張が高まるなか、ロサンゼルス郡は誤って郡全域の約960万人の住民に対し避難通知を送信するミスも起こしました。本来はケネス火災の影響を受ける地域だけを対象とする予定でしたが、結果的に郡全体に通知が配信され、直後に訂正のメッセージが送られました。
避難通知の誤送信や、無許可のドローンが消火活動の妨げとなった今回の事例は、デジタル技術が防災の強力なツールである一方で、運用を誤れば混乱や危険を招きかねないことも浮き彫りにしています。災害時にどの情報を信頼し、どう行動するかが、住民一人ひとりにとって重要な課題となっています。
私たちが考えたいこと
都市近郊で同時多発的に起きる大規模火災は、住民の安全だけでなく、インフラや地域経済にも深刻な影響を与えます。今回のロサンゼルスの山火事は、巨大都市が自然災害にどう向き合うかという問いをあらためて投げかけています。
日本でも地震や豪雨などの災害時に避難情報の伝達や受け止め方が問題になることがあります。他地域で起きている出来事として片付けるのではなく、自分の街で同じような事態が起きたときに、どのように備え、どのように動くのかを考えるきっかけにしたいニュースです。
Reference(s):
Los Angeles wildfires devour thousands of homes, at least 10 dead
cgtn.com








