ロサンゼルス山火事で有害な煙 住民の健康リスクと今後の懸念
米カリフォルニア州ロサンゼルスで山火事の煙が街を覆い、学校の閉鎖や健康警報が相次ぎました。空気清浄機が品薄となるなど、大気汚染が住民の生活と健康に深刻な影響を与えています。
厚い煙に覆われたロサンゼルス
先週木曜日、米国第2の都市ロサンゼルスは、南カリフォルニア各地で燃え広がる山火事の煙に包まれました。空はかすみ、街全体が灰色のベールに覆われたような状態になったといいます。
パサデナにある飲食店で働くダルセ・ペレスさんは、取材に対し「息ができる空気ではないので、私たちはとにかく屋内にとどまるようにしています」と語り、この状況を「呼吸できない」と表現しました。
市内各地では、灰やすす、煙が混じった空気が肺を焼くようだと感じる住民も多く、これまでに約1万棟の建物が焼失したと伝えられています。
一部の大型量販店では空気清浄機が売り切れとなり、「入荷してもすぐに売れてしまう」という声も聞かれます。自宅の窓をテープで目張りし、外気が入り込むのを防ごうとする人も出ています。
山火事との闘いに見え始めた光
金曜日には、ロサンゼルスの東側と西側で燃え広がっていた2つの大規模な山火事について、消防当局がようやく火勢を抑えつつある段階に入りました。数日間にわたり炎をあおってきた強い風がおさまり、消火活動が進んだためです。
それでも金曜日の夜までは大気汚染警報が継続し、世界保健機関(WHO)が示す基準値の約4倍にあたる危険なレベルの微小粒子状物質が残っていました。空が少し明るく見えるようになっても、目に見えない有害物質が空気中にとどまり続けていたことになります。
山火事の煙が健康に与える影響
山火事による煙には、すすや灰だけでなく、非常に小さな粒子(微小粒子状物質。いわゆるPM2.5など)が多く含まれています。粒子が細かいほど肺の奥深くまで入り込みやすく、健康への影響が大きくなります。
短期的には、次のような症状が出やすくなります。
- 目や喉の痛み、咳、息苦しさ
- 喘息など呼吸器の持病の悪化
- 頭痛やめまい、強い倦怠感
特にリスクが高いのは、次のような人たちです。
- 子どもや高齢者
- 喘息や心臓病などの基礎疾患がある人
- 妊娠中の人
- 屋外で長時間働かざるを得ない人
こうした人たちは、短時間の暴露でも体調を崩しやすく、医療機関の受診が必要になるケースもあります。煙が薄くなったように見えても、粒子状物質の濃度が高い状態が続く場合があるため、注意が必要です。
住民が今できる対策
今回のロサンゼルスのように、大規模な山火事による煙が都市部を覆う事態は、今後も起こりうるとされています。住民が自分や家族の健康を守るために、基本的なポイントを押さえておくことが大切です。
- 可能な限り屋内で過ごし、窓やドアをしっかり閉める
- エアコンを使う場合は、外気を取り込まない設定にする
- 空気清浄機がある場合は、窓を閉めた状態で継続的に使用する
- 屋外での激しい運動や長時間の活動を避ける
- やむを得ず外出する際は、粒子を遮る性能の高いマスクを着用する
また、自治体や気象当局が発表する大気質情報や警報をこまめにチェックし、学校の休校やイベントの中止などの判断にも注意を向けることが求められます。
遠くのニュースを自分ごととして捉える
ロサンゼルスの山火事は、地理的には日本から遠く離れた出来事です。しかし、都市が自然災害によって一気に脆弱になること、そして目に見えにくい大気汚染が人々の生活と健康を直撃することは、日本に暮らす私たちにとっても無関係ではありません。
黄砂やPM2.5、火山噴火など、私たちの身近にも空気が突然悪化するリスクはあります。日頃から大気汚染に関する情報の読み方や、家庭でできる対策を知っておくことは、防災の一部だと言えるでしょう。
今回のロサンゼルスの事例は、「空気」という見えないインフラが日々の暮らしを支えていることを、改めて考えさせる出来事になっています。
Reference(s):
Breathing dangerously: Wildfires blanket LA in hazardous smoke
cgtn.com








