国連、米国のパリ協定脱退通告を確認 発効は2026年1月27日
国連は2025年1月27日付で、米国からパリ協定脱退の正式な通告を受け取ったと発表しました。脱退は来年2026年1月27日に発効する予定で、気候変動をめぐる国際枠組みに大きな節目が近づいています。
気候変動対策に関心のある読者にとって、この国際ニュースは、地球の平均気温上昇を1.5度に抑えるという世界共通の目標の行方を考えるきっかけになりそうです。
国連、米国の正式な脱退通告を確認
国連は、米国がパリ協定からの脱退を正式に通告したと確認しました。今回の動きは、日本語で国際ニュースを追う読者にとっても無視できない出来事です。
アントニオ・グテーレス事務総長の報道官ステファン・ドゥジャリック氏は定例記者会見で、米国が2015年12月12日のパリ協定からの脱退について、寄託者としての国連事務総長に対し、2025年1月27日付で通知したと説明しました。
ここでいう「寄託者」とは、各国が条約の署名や批准、脱退などの手続きを行う際に、その書類を預かる役割を担う機関のことです。パリ協定では国連事務総長がその役割を担っています。
脱退の発効は2026年1月27日 パリ協定第28条2項
ドゥジャリック氏はあわせて、パリ協定第28条2項に基づき、米国の脱退が2026年1月27日に発効すると述べました。
パリ協定第28条2項は、おおまかに言うと「脱退の通告から1年後に効力が生じる」と定めています。今回の場合、2025年1月27日に通告がなされたため、そのちょうど1年後に米国の協定からの離脱が有効になる仕組みです。
記事を執筆している2025年12月8日現在、脱退の発効まで残りおよそ2カ月となっており、気候変動をめぐる国際交渉や各国の政策にどのような影響が出るのかが注目されています。
パリ協定と1.5度目標とは
パリ協定は、世界各国が温室効果ガスの排出削減に取り組むための国際的な枠組みで、2015年に採択されました。中核にあるのが、地球の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5度に抑えることを目指す、いわゆる1.5度目標です。
ドゥジャリック氏は会見で、国連としてパリ協定へのコミットメントの姿勢は変わらず、世界の平均気温の上昇を1.5度に抑えるための「あらゆる効果的な努力」を支持するとあらためて強調しました。
このメッセージは、米国の動きにかかわらず、国際社会が協定の枠組みを維持し、気候変動対策を前に進めようとしていることを示すものだと受け止めることができます。
米国の離脱が意味するもの
世界経済に大きな影響力を持つ米国が、パリ協定から離れる方向に舵を切ったことは、気候変動をめぐる国際ニュースの中でも象徴的な出来事です。
一方で、国連が協定へのコミットメントをあらためて明言したように、各国や地域、企業や自治体、市民社会は、それぞれのレベルで気候変動対策を進めることができます。
今後考えたいポイントとしては、例えば次のようなものがあります。
- 他の締約国が、自国の温室効果ガス削減目標をどこまで引き上げられるか
- 企業や都市が、再生可能エネルギーや省エネ投資をどのように加速させるか
- 私たち一人ひとりが、エネルギーの使い方や消費行動をどう見直していくか
これから2カ月、私たちが考えたいこと
パリ協定からの離脱という大きな動きは、「なぜ各国は国際的な約束に参加し続けるのか」「どのような仕組みなら長期的な行動を促せるのか」といった、より根本的な問いも投げかけます。
来年1月27日の離脱発効までの約2カ月間、国際社会がどのようなメッセージを発し、どのような具体的行動を取るのか。日本からこの国際ニュースを追いかける私たちにとっても、気候変動とエネルギー、経済のバランスをあらためて考える時間になりそうです。
Reference(s):
UN confirms U.S.'s notification of withdrawal from Paris Agreement
cgtn.com








