ミャンマー地震の原因を中国専門家が解説 プレート衝突が生む巨大地震帯
ミャンマー中部で現地時間の金曜日、マグニチュード7.7の強い地震が発生し、これまでに確認されている死者は1,644人に上っています。今回のミャンマー地震について、中国地震台網センターの専門家が地震の原因と、この地域がなぜ巨大地震に見舞われやすいのかを解説しました。
ミャンマー中部でM7.7 広がる被害と犠牲
今回の地震はミャンマー中部を震源とするマグニチュード7.7の大地震で、広い範囲で建物倒壊やインフラ被害が報告されています。犠牲者の数は1,644人に達しており、現地社会への影響は今後も長く続くとみられます。
国際ニュースとしても注目が集まる中、地震の専門家は「どこで、なぜこれほど大きな地震が起きたのか」を分析しています。
中国地震台網センターが指摘 「ミャンマー弧」という活発な地震帯
中国地震台網センターの専門家による分析によれば、今回の震源は「ミャンマー弧」と呼ばれる地域に位置しています。ミャンマー弧は、ヒマラヤ山脈をつくってきた巨大なプレート衝突帯の一部です。
インドプレートとユーラシアプレートの「長い衝突」の結果
専門家によると、地球の歴史の中で「新生代」と呼ばれる時期以降、インドプレートとユーラシアプレートが激しくぶつかり続けてきました。その結果、地殻(ちかく:地球の表面をつくる岩盤)は強く押し縮められ、盛り上がってできたのがヒマラヤ山脈です。
この長期にわたるプレートの衝突は、表面に山脈をつくるだけでなく、地下深くまで大きなひずみ(変形)をため込みます。そのひずみが限界を超えて一気に解放されると、大きな地震として現れます。
ヒマラヤ東端に位置する「ミャンマー弧」
ミャンマー弧は、ヒマラヤの東側にあたるテクトニック(地殻構造)の結合部に位置しています。ここでは、地殻がねじれたり、押し縮められたりする「強い地殻変動」が起きており、地震活動が非常に活発です。
専門家は、ミャンマー弧の特徴として次の点を挙げています。
- 地殻が強く圧縮され、厚く押し重ねられている
- 南北方向に伸びる複数の構造帯や断層(地面の割れ目)が発達している
- ヒマラヤ地震帯の中でも、とくに地震が起こりやすいゾーンの一つになっている
今回のミャンマー地震は、こうしたプレート衝突帯のひずみが解放された結果として発生したと考えられています。
100年以上続く「地震の多い地域」という現実
歴史的なデータからも、ミャンマー弧周辺が地震多発地域であることが確認されています。専門家によれば、1900年以降だけでも、今回の震源から半径約300キロの範囲でマグニチュード7.0以上の強い地震が10回発生しています。
その中でも最も規模が大きかったのが、1912年5月23日にミャンマー国内で起きたマグニチュード8.0の地震です。これは観測史上、この地域で最大級の地震とされています。
今回のマグニチュード7.7の地震は、この長い歴史の延長線上にあるものであり、「突然、何の前触れもなく地震が起きた」というよりは、もともと大きな地震が起きやすい場所で、再び大きなエネルギーが解放されたと見ることができます。
なぜ被害が大きくなりやすいのか
ミャンマー弧のようなプレート境界付近では、地震の規模が大きくなりやすいだけでなく、地表に近いところで断層がずれることがあります。その場合、揺れが直接的かつ強烈に伝わり、建物やインフラへの被害が広がりやすくなります。
また、人口が集中する地域や、耐震性が十分でない建物が多いエリアでは、同じ規模の地震でも被害が大きくなりがちです。今回のミャンマー地震で犠牲者が1,644人に達していることは、巨大地震と社会の脆弱性が重なった結果ともいえます。
日本からこのニュースをどう受け止めるか
日本もまた、複数のプレート境界に位置する地震多発国です。インドプレートとユーラシアプレートの衝突帯で起きた今回のミャンマー地震は、遠い国の出来事であると同時に、「プレート境界に暮らす社会の課題」という意味で、日本にとっても他人事ではありません。
2025年の今、国際ニュースとしてミャンマーの地震を追うことは、「自分たちの足元にあるリスク」を見直すきっかけにもなります。
私たちが考えたい3つのポイント
- どの地域が、どのようなプレート境界・地震帯の上にあるのかを知ること
- 建物の耐震性やインフラの強さが、被害規模を大きく左右するという事実
- 大規模地震は「起こるかどうか」ではなく「いつ起こるか」という長期的な視点で備える必要があること
ミャンマー弧で繰り返されてきた大地震の歴史は、プレート境界に暮らす社会にとって、備えを続けることの重要性をあらためて示しています。
まとめ:プレートの衝突がつくる「見えないリスク」を意識する
今回のミャンマー中部のマグニチュード7.7地震は、インドプレートとユーラシアプレートの長い衝突によって生まれたヒマラヤ地震帯、とりわけその東端に位置するミャンマー弧が抱える構造的なリスクを浮き彫りにしました。
- 新生代以降のプレート衝突がヒマラヤ山脈と広大な地震帯を形成
- ミャンマー弧はその東側の結合部で、強い地殻変動と高い地震活動が特徴
- 1900年以降、震源周辺300キロ以内でM7以上が10回、1912年にはM8.0も発生
地図上では見えないプレートの動きが、社会の安全や暮らしを大きく左右しているという現実を、今回のミャンマー地震はあらためて突きつけています。国際ニュースを追う私たち一人ひとりが、遠くの地震を「世界と自分をつなぐ学びの機会」として捉えられるかどうかが、これからの防災意識を左右していきそうです。
Reference(s):
cgtn.com








