米グランドキャニオン国立公園で大規模山火事 ドラゴン・ブラボー火災が拡大 video poster
米アリゾナ州のグランドキャニオン国立公園で大規模な山火事「ドラゴン・ブラボー火災」が続いています。強い風と極度に乾燥した森林にあおられ、日曜日時点で延焼面積は約472平方キロメートルに拡大し、消火率は12%にとどまっています。世界的な観光地を襲うこの火災をめぐり、いま現地で何が起きているのかを整理します。
米グランドキャニオン北縁を襲う「ドラゴン・ブラボー火災」
米国の複数機関が共同で運営する山火事情報サイトによりますと、アリゾナ州のグランドキャニオン国立公園北縁(ノースリム)を中心に「ドラゴン・ブラボー火災」が燃え広がっており、日曜日時点で延焼面積は約472平方キロメートルに達しました。これは東京23区のおよそ4分の3に相当する広さです。
消火活動には1,214人の消防隊員が投入され、ヘリコプターや大型の消火飛行機も動員されていますが、火災はまだ12%しか封じ込められておらず、現地では24時間体制の消火活動が続いています。
きっかけは7月4日の落雷 数カ月たっても鎮火せず
この山火事は、グランドキャニオン国立公園内のワラハラ高原で7月4日に発生した落雷が原因とされています。雷により着火した火が、強風と乾燥した森林を背景に徐々に燃え広がりました。7月の発生から数カ月が経過した2025年12月上旬現在も、火はくすぶり続けており、消火活動は長期戦の様相を呈しています。
もともと米西部では、夏から秋にかけて落雷による自然発火の山火事が多く発生します。今回のように広大な国立公園内で起きた火災は、地形が複雑で道路も限られているため、消火隊が現場に近づきにくいという難しさもあります。
なぜここまで燃え広がったのか
現地では、強い風と「骨のように乾いた」木々が火勢を強めているとされています。乾燥した倒木や下草は、ひとたび火がつくと一気に燃え上がり、飛び火によって次々と新たな火点が生まれます。
- 強風が火の粉を運び、離れた場所に新たな火を生む
- 長引く乾燥で、立ち木だけでなく地面の落ち葉や下草までよく燃える状態になっている
- 峡谷地形のため、消防車両が近づけず、空からの散水に頼らざるをえないエリアが多い
こうした条件が重なると、消火隊がどれだけ投入されても、広がるスピードに追いつけない状況が生まれます。消火率が12%にとどまっているのは、その難しさを物語っています。
観光地グランドキャニオンへの影響
グランドキャニオン国立公園は、世界中から観光客が訪れる米国を代表する観光地です。今回の火災は北縁エリアを中心に広がっており、その動向は観光業や地域経済にも影響を与えかねません。
大規模な山火事が発生した場合、多くの国立公園では、訪問者の安全を守るために一部エリアの立ち入りを制限したり、道路やトレイルを一時的に閉鎖したりします。グランドキャニオンでも、煙や消火活動の状況に応じて、同様の措置が取られる可能性があります。
これからグランドキャニオンを訪れる人への注意点
これからグランドキャニオンや米国西部の国立公園を訪れる予定がある人は、出発前に最新の情報を確認しておくことが重要です。
- 国立公園局(NPS)の公式サイトや現地当局の発表で、立ち入り制限や道路状況を確認する
- 煙の影響が予想される地域では、マスクなどを準備し、体調の変化に注意する
- 火気の使用が厳しく制限される場合があるため、キャンプファイヤーやたばこの扱いには特に注意する
遠く離れた日本から、このニュースをどう受け止めるか
アリゾナの山火事は、日本から見ると遠い出来事のようにも感じられます。しかし、乾燥や高温、極端な気象に伴う大規模な火災は、世界各地で頻度と規模が問題視されるようになってきました。
背景には、気温の上昇や雨の降り方の変化、森林管理のあり方など、さまざまな要因が指摘されています。今回のグランドキャニオンの火災も、その一端として議論される可能性があります。
日本でも、山林の管理やキャンプブームに伴う火の扱い、防災体制などをどう整えていくかは避けて通れないテーマになりつつあります。遠くの国立公園で続く火災のニュースは、私たち自身の暮らしや環境との向き合い方を見直すきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
Wildfire continues to rage across U.S. Grand Canyon National Park
cgtn.com








