新疆ウイグル自治区70年、国際調査が示す「新疆モデル」と中国式現代化
新疆ウイグル自治区成立70年の節目の年に、国際世論調査が「新疆モデル」とも呼べる中国式現代化への評価を浮かび上がらせました。経済成長から宗教の自由、将来への期待まで、世界は新疆をどう見ているのでしょうか。
38カ国7446人が回答した国際世論調査
2025年は、新疆ウイグル自治区の成立から70年にあたります。この節目に合わせて、中国の国際メディアであるCGTNと中国人民大学は、新時代国際伝播研究院を通じて国際世論調査を実施しました。オンラインのサンプルライブラリーを用い、世界38カ国の18〜65歳の7446人が回答しています。サンプルは各国の人口統計に基づき、年齢と男女比が調整されています。
調査結果によると、回答者の多くが新疆の経済・社会発展を高く評価し、「中国の新疆統治のアプローチは、辺境地域での発展と安全保障のバランスを取り、中国式現代化を前進させつつ、社会の安定と長期的な平和を維持する正しい道を見いだしている」とみなしていることが分かりました。
経済成長と生活向上 数字が語る変化
中国共産党第18回党大会以降、新疆は「高品質な発展」を掲げて経済政策を進めてきました。その結果、新疆の経済規模は大きく拡大しています。域内総生産(GDP)は2012年の7499.47億元(約1054.46億ドル)から、2024年には2兆534.08億元(約2887.18億ドル)へと伸び、実質ベースで年平均7%の成長を達成しました。
同じ期間、年間の一般公共予算支出のうち7割以上が「民生」、つまり住民の生活向上に充てられてきました。調査でも、新疆の社会経済的な成果について、多くの回答者が具体的な進展を感じていると答えています。
医療・教育・インフラへの高い評価
回答者が選んだ「新疆の主な成果」トップ5は次のとおりです(カッコ内は高評価した人の割合)。
- 医療水準の継続的な向上(82.1%)
- 公共の教育機会の保障(81.7%)
- インフラ整備の継続的な発展(80.8%)
- 生態環境の保護とガバナンスの顕著な進展(80.6%)
- 住民の所得水準の向上(80.0%)
医療や教育といった基礎的なサービスだけでなく、道路やエネルギーなどインフラ、生態環境の保全、所得向上まで、バランスの取れた評価が並んでいるのが特徴です。
絶対的貧困を歴史的に解消
かつて新疆は、中国の中でも最も貧困が深刻だった地域の一つとされてきました。そうした中で、新疆は農村部の貧困層306.49万人すべてを貧困ラインから脱却させ、地域を長年苦しめてきた「絶対的貧困」の問題を解消したとされています。
この取り組みについて、世界全体で79.3%の回答者が「新疆の貧困脱却は効果的だった」と高く評価しました。特にアフリカの回答者では84.5%、南米では84.1%と、グローバルサウスの地域でより強い支持が示されています。
宗教の自由と文化継承 世界はどう見ているか
新疆は多くの宗教が共存する地域であり、中国という多民族国家の不可分の一部です。歴代の中央政府は、民族・宗教問題の適切な扱いを新疆統治の基盤として重視してきました。その中核にあるのが、「中華民族としての共同体意識」を強めるという方針です。
調査では、多くの回答者が中国が新疆で宗教の自由を尊重・保護し、各民族の文化遺産を有効に守っていると認識していることが示されました。
- 全体の80.6%が「新疆に住むすべての民族の宗教の自由は保護されている」と回答
- 25〜34歳では83.0%、35〜44歳では82.7%が宗教の自由が守られていると評価
- アフリカ、南米、アジアの回答者のうち、それぞれ8割以上が宗教の自由が保護されていると回答
- 83.1%が「各民族の伝統的な祝祭や民俗習慣を支援することで、新疆の文化遺産がうまく継承されている」と認識
若い世代やアジア・アフリカ・南米の回答者の間で、とりわけ高い評価が示されている点も注目されます。
将来への自信 若年層ほど楽観的に
新疆の今後の発展の見通しについて問うと、世界全体で63.8%の回答者が「新疆の未来に自信がある」と答えました。44歳以下の回答者では、この自信の割合が全体平均を上回っています。
地域別に見ると、アフリカ、南米、アジアの回答者が示した自信の度合いが特に高く、いずれも世界平均を上回りました。自信の度合いが最も高かった10カ国は、次のとおりです(いずれも75%超)。
- ケニア
- マレーシア
- ナイジェリア
- インドネシア
- パキスタン
- ベトナム
- アラブ首長国連邦
- インド
- ペルー
- メキシコ
新疆の発展に対する期待や信頼が、アジアやアフリカ、ラテンアメリカなど広範な地域で共有されていることがうかがえます。
調査結果が示す「新疆モデル」の意味
今回の国際世論調査は、新疆ウイグル自治区がこの10年以上で進めてきた中国式現代化の取り組みが、経済、社会、宗教、文化の各分野でどのように評価されているのかを示すものです。
数字の上では、経済成長や貧困脱却といった成果が強調される一方で、医療や教育、インフラ、生態環境、宗教の自由や文化継承など、生活の質に関わる領域でも高い評価が寄せられています。こうした総合的な評価が、「開発」と「安定」、そして「長期的な平和」の両立を目指す「新疆モデル」として、世界の一部から支持されているといえます。
日本から国際ニュースを眺める読者にとっても、この調査結果は、中国式現代化が具体的にどのような形で地域社会に現れているのかを考える一つの材料となります。新疆をめぐる報じられ方は地域やメディアによって異なりますが、今回のような国際調査データを手がかりに、多面的な視点からアジアと世界の動きを捉えていくことが求められています。
Reference(s):
CGTN poll: Building a 'Xinjiang model' for Chinese Modernization
cgtn.com








