地球温暖化でグリーンランドが縮み北西へ移動 新研究が警鐘
地球温暖化の進行が、海面上昇や異常気象だけでなく、大地そのものの形と位置を変えつつあることが分かりました。新しい国際研究によると、グリーンランドは縮みながら北西方向へとゆっくり移動しているといいます。
この研究は、国際学術誌Journal of Geophysical Research: Solid Earthに掲載されたもので、デンマーク工科大学などの研究チームがグリーンランド周辺に設置された58カ所のGNSS観測点のデータを詳しく解析しました。
何が分かったのか:グリーンランドが縮み北西へ「ずれる」
研究によると、グリーンランドはプレートテクトニクスによる地殻変動と、足元の岩盤の動きの影響を強く受けています。その結果、島全体がねじれ、押し縮められ、反対に引き伸ばされるといった力を同時に受けていることが明らかになりました。
こうした動きの多くは、上に乗っている巨大な氷床が溶けて軽くなり、地下の圧力が小さくなっていることに起因すると研究チームは指摘しています。その影響で、グリーンランドはわずかずつ縮み、北西方向へと移動しているというのです。
観測に使われたGNSSは、衛星からの信号を利用して地表の位置を高精度で測るシステムです。グリーンランド周辺の58カ所に設置された観測点の動きを長期間追跡することで、大地のごくわずかな変形や移動を捉えることができました。
氷が溶けるとなぜ大地が動くのか
グリーンランドの上には、世界最大級の氷のかたまりである氷床が広がっています。氷は岩盤にとって重しのような役割を果たしており、その重さで地面を押し下げています。
ところが、地球温暖化によって氷床が溶けると、その重さが減り、岩盤にかかる圧力も小さくなります。すると、長年押しつぶされていた地面が少しずつ持ち上がったり、形を変えたりします。このときに生じるのが、今回の研究で示されたねじれや圧縮、引っ張りなどの力です。
大地が変形すると、島全体の重心やバランスも変わるため、位置そのものが徐々にずれていきます。グリーンランドが北西方向へと移動しているのは、こうした氷の融解と岩盤の応答が組み合わさった結果だと考えられます。
地球温暖化を見る新しい視点
地球温暖化の影響というと、これまで主に気温の上昇や海面の上昇、生態系への打撃などが注目されてきました。しかし今回の研究は、気候変動が大気や海だけでなく、地球の固い部分である岩盤や地殻の動きにも影響を与えていることを示しています。
グリーンランドのような大規模な氷床の融解は、地域の地図上の位置や高さ、さらには将来の気候や地殻変動を予測するモデルにも関わってきます。その意味で、GNSSを使った今回の精密観測は、今後の研究の重要な基盤データになるといえます。
私たちが押さえておきたいポイント
- グリーンランドは、地球温暖化の影響で縮みつつ北西へ移動している。
- 58カ所のGNSS観測点のデータから、島全体にねじれ・圧縮・引っ張りの力が働いていることが明らかになった。
- こうした変形の多くは、巨大な氷床の融解により地下の圧力が変化したことが引き金になっている。
大地の形や位置さえ変えてしまうほどの影響をもたらしている地球温暖化。今回のグリーンランドの研究結果は、気候変動をめぐる議論に、新たな問いを投げかけていると言えそうです。
Reference(s):
Study: Greenland shrinking, drifting northwest amid global warming
cgtn.com








