ブラジル・ベレン気候サミット 世界の指導者「もう時間がない」 video poster
2025年11月6日から7日にかけて、ブラジル北部の都市ベレンで各国の指導者が集まり、国連気候変動会議「COP30」を前にした2日間の気候サミットが開かれました。会場では「世界はもう時間切れに近い」という強い危機感が共有されています。
COP30を前に、ベレンが気候外交の舞台に
この気候サミットは、翌週に開幕する予定だった国連のCOP30に先立ち、各国の首脳や閣僚、専門家が顔をそろえる前哨戦として位置づけられていました。現地から報告したジャーナリストのパウロ・カブラル氏によると、アマゾン流域の中心都市であるベレンに、気候変動対策の優先順位を議論するための視線が集まっています。
ルラ大統領「科学を無視することはもうできない」
開催国ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領は演説で、世界はもはや科学を無視できないと訴えました。ルラ大統領は、産業革命以前と比べて地球の平均気温がすでに1.5度以上上昇していると指摘し、この事実を直視しなければならないと強調しました。
パリ協定で掲げられた「気温上昇を1.5度に抑える」という目標は、気候変動による最悪の影響を避けるための「防波堤」として位置づけられてきました。そのラインを超えているという認識は、これまでの延長線上の対策では足りないことを意味します。
「時間切れ」は何を意味するのか
首脳たちが口にする「時間がない」という言葉は、単なる比喩ではありません。温室効果ガスの排出が続くほど、極端な熱波や豪雨、干ばつなどのリスクが高まり、取り返しのつかない転換点に近づくとされています。いま行動を加速しなければ、将来もっと急激でコストの高い対応を迫られる可能性があります。
COP30へのメッセージ:優先すべき3つの論点
ベレンでの議論は、COP30で何を優先すべきかを整理する場にもなりました。各国首脳が強調したポイントは、おおまかに次の3つに集約できます。
- 排出削減の加速:石炭や石油など化石燃料への依存を減らし、再生可能エネルギーへの転換を急ぐこと
- 気候資金の拡大:被害を受けやすい国や地域に対し、公的・民間資金を通じて支援を強めること
- 森林と生態系の保護:アマゾンをはじめとする森林の破壊を止め、自然が持つ吸収力を最大限に生かすこと
日本の私たちに突きつけられた問い
遠く離れたブラジルの会議に聞こえるかもしれませんが、ベレンでの「時間切れ」との警告は、日本に暮らす私たちにも直接かかわる問題です。災害級の猛暑や線状降水帯による豪雨など、気候変動の影響はすでに日常のリスクとして現れています。
エネルギー政策や企業の投資判断だけでなく、私たち一人ひとりの生活スタイルも問われています。どのような社会を次の世代に引き継ぎたいのか――その答えを出す時間は、決して多くありません。
ベレン発のメッセージをどう生かすか
2025年11月の気候サミットで発せられた「世界はもう時間がない」という声は、COP30の交渉結果だけで評価されるものではありません。各国政府、企業、市民がこれから数年でどれだけ具体的な行動に踏み出せるかが、真価を決めます。
本記事は2025年12月8日時点の情報にもとづいています。ベレンから発信されたメッセージを、日々のニュースや身近な選択と結びつけて考えてみることが、気候危機の時代を生きる私たちに求められているのかもしれません。
Reference(s):
Global leaders warn world out of time at Brazil climate summit
cgtn.com








