モロッコ、冬の大雨で「7年干ばつ終結」 ダム貯水率は平均46%に
モロッコで続いてきた7年規模の干ばつが、今冬の豊富な降雨を受けて「終わった」との見方が示されました。水資源をめぐる危機対応が、回復局面と中長期の備え(淡水化)を同時に進める段階に入っています。
「7年干ばつは終結」水担当相が議会で説明
モロッコのニザール・バラカ水担当相は今週、議会で、今冬の降雨により同国の7年にわたる干ばつが終わったと述べました。
降雨は前年より95%増、季節平均も上回る
バラカ氏によると、今冬これまでの降雨量は、
- 前年同時期比で95%増
- 季節平均比で17%増
となっています。
ダムは回復:平均貯水率46%、満水の主要貯水池も
公式データでは、全国のダムの平均貯水率(充填率)は46%に上昇しました。複数の重要な貯水池が満水に達しているとも報告されています。
農業には追い風に——水制限が続いた数年の反動
今回の降雨は、長年の水制限で影響を受けてきた農業分野にとって、ひとまずの安心材料になりそうです。これまでの干ばつは、ダム貯水の減少に加え、
- 小麦の収穫減
- 国内の家畜頭数の減少
- 農業分野での大きな雇用損失
など、幅広い影響をもたらしてきました。
「雨が戻っても」淡水化は加速:2030年に飲料水の60%を海水処理で
一方で、降雨による回復が見えたからこそ、平時の水源構成をどう組み替えるかが焦点になります。バラカ氏は2025年12月、モロッコが2030年までに、処理した海水(淡水化)で飲料水の60%を供給する目標を示しました。これは、従来の「25%」から引き上げる考え方です。
同氏は、内陸部向けの水はダムに残しつつ、飲料水を淡水化で支える構想も説明しています。短期の降雨回復と、長期の水供給の設計を重ねていく姿勢がうかがえます。
いま注目されるポイント(数字で整理)
- 降雨:前年同時期比 +95%
- 降雨:季節平均比 +17%
- ダム平均貯水率:46%
- 飲料水(処理海水)の目標:2030年に60%(従来想定25%から引き上げ)
雨がもたらした回復が、農業や雇用の立て直しにどう波及するのか。さらに、淡水化への比重を高める政策が、内陸部の水配分とどう両立していくのか。2026年の水政策は、安心と緊張が同居する局面に入りそうです。
Reference(s):
Morocco declares end of seven-year drought after winter rains
cgtn.com








