南極の巨大氷山A23a、数週間で消滅も—Fengyun-3D衛星が崩壊を追跡
かつて「世界最大級」とされた南極の氷山A23aが、ここ数週間で急速に小さくなり、数週間以内に消滅する可能性があると報じられました。中国の気象衛星Fengyun-3D(風雲3D)が捉えた最新画像から、崩壊が最終段階に入っていることが示されています。
衛星画像が示した「縮み方」
中国気象局(China Meteorological Administration)によると、Fengyun-3Dが2026年1月14日に撮影した解像度250メートルのトゥルーカラー画像で、A23aの主な本体は506平方キロメートルまで縮小していることが確認されました。
- 分離当初(1986年):4,170平方キロメートル
- 3週間前:948平方キロメートル
- 2026年1月14日時点:506平方キロメートル
数値からは、直近数週間で崩壊が目に見えて加速している様子が読み取れます。
「数週間で消える」可能性—専門家の見立て
中国の国家衛星気象センター(National Satellite Meteorological Center)の主任専門家、鄭昭軍(Zheng Zhaojun)氏は、A23aが今後数週間で完全に消滅する可能性があるとの見方を示しました。
また、Fengyun-3の衛星コンステレーション(複数機による継続観測)は2023年以降、A23aの変化を追跡しており、今年(2026年)初めに分裂・崩壊が劇的に加速したとされています。
崩壊を押し進める「ハイドロフラクチャリング」
崩壊の主因の一つとして挙げられているのが、hydrofracturing(ハイドロフラクチャリング)です。これは、氷山表面にたまった融解水(メルトウォーター)が圧力となり、氷の割れ目を押し広げて破断を進める現象です。
衛星画像では、氷山の中心部に青い融解水がたまり、周縁部の自然の“尾根”のような地形にせき止められている様子が明瞭に見て取れたといいます。見た目の美しさの裏側で、内部から崩れやすさが増している構図です。
南半球の夏が、最後の一押しに
現在は南半球の夏にあたり、比較的晴れた天候や気温上昇が進みやすい時期です。鄭氏によれば、
- 空気の温度上昇
- 3℃を超える海水による浸食
- 海流が破片をより暖かい北側海域へ押し流すこと
といった条件が重なり、A23aの「終局」を早めているとされます。
そもそもA23aとは:1986年に南極の棚氷から分離
A23aは1986年、南極のフィルヒナー棚氷(Filchner Ice Shelf)から分離した氷山です。面積で「世界最大級」と呼ばれた時期もあり、その推移は衛星観測の進展とともに、長期的に記録されてきました。
今回の報告は、巨大氷山の変化が「年単位」ではなく、ときに「週単位」で進むこと、そしてその変化を衛星が連続的に捉えられる時代に入っていることを、静かに示しています。
Reference(s):
A23a, once world's largest iceberg, could disappear within weeks
cgtn.com








