中国ニュース:江西省の秋の伝統「shai qiu」 屋根を彩る色とりどりの収穫
中国南東部・江西省婺源県で、秋の収穫物を屋根や庭いっぱいに広げて干す伝統行事「shai qiu(シャイチウ)」が、今年も色とりどりの風景をつくり出しています。
中国・江西省の秋を彩る伝統行事「shai qiu」
国際ニュースとしても注目される中国の季節の風物詩の一つが、江西省婺源県の「shai qiu」です。昔から続くこの習慣では、収穫したばかりの作物を天日で干しながら、村全体で秋の訪れを祝います。
住民たちは、トウガラシやコメ、ダイズなど色の異なる作物を竹かごに入れ、屋根の上や庭先にずらりと並べます。赤、黄、薄いベージュが組み合わさり、集落全体が一枚の大きな絵のように見えるのが特徴です。
竹かごと屋根がつくる「色彩のキャンバス」
この秋の伝統行事では、素朴な道具である竹かごが重要な役割を果たします。竹かごは通気性がよく、作物をむらなく乾かすのに適しているうえ、丸い形が屋根の上にリズム感のある模様を生み出します。
並べられる主な作物は次のようなものです。
- 鮮やかな赤色のトウガラシ
- 黄金色に輝くコメ
- やわらかな色合いのダイズ
これらが秋の澄んだ光を受けて乾いていく様子は、機能的でありながら非常に視覚的でもあり、日常の暮らしそのものが風景をつくり出しているといえます。
生活の知恵としての「天日干し」
「shai qiu」は、美しい景観づくりだけが目的ではありません。秋に収穫した作物を太陽の光と風でしっかり乾燥させることで、保存性が高まり、長い冬のあいだの食料を確保する役割も果たしています。
機械に頼らず自然の力を生かすという点で、この中国の秋の伝統は、エネルギーをあまり使わない暮らしの知恵としても注目できます。気候や四季のリズムを肌で感じながら、住民が共同で作業することで、地域のつながりも保たれてきました。
SNSで広がるローカルな秋の風景
カラフルな屋根の風景は、近年、スマートフォンやSNSを通じて世界中に共有されるようになりました。国際ニュースや日本語ニュースとして紹介されることで、私たちは画面越しに中国農村の秋の空気を少しだけ感じることができます。
一見、遠い国の小さな村の日常のように思える風景も、「収穫を祝い、大切に保存する」という点では、多くの地域に共通する感覚です。写真や動画を通じてこうした季節の行事に触れることは、自分たちの暮らしや食文化を見直すきっかけにもなりそうです。
なぜ今、「季節の風景」を知ることが大切なのか
都市で暮らしていると、季節の変化を数字やニュースで知ることはあっても、日々の風景や手仕事として実感する機会は少なくなりがちです。江西省婺源県の「shai qiu」は、収穫の喜びと生活の知恵、そして地域のつながりが一体となった秋の風景を、わかりやすく見せてくれます。
こうした国際ニュースを日本語で知ることは、「遠いどこかの話」ではなく、自分の生活と世界のどこかの暮らしを静かにつなぎ、ものの見方を少し広げてくれるきっかけになるのではないでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








