トゥチャ族の赤と白の伝統ケーキで迎える新年 中国・貴州の年越し準備
2025年の年末が近づくなか、中国本土の貴州省に暮らすトゥチャ族の人びとが、新年を迎えるために赤と白の伝統的なケーキを作り、年越しの準備を進めています。素朴な菓子づくりの風景は、中国の多様な民族文化が今も息づいていることを静かに物語ります。
貴州省・印江で受け継がれる新年の味
舞台となっているのは、中国本土・貴州省の印江トゥチャ族ミャオ族自治県です。この地域のトゥチャ族の人びとは、新年を迎えるにあたって、伝統のケーキを手づくりする習わしを守っています。
今回準備されているケーキは、赤と白の二色があり、それぞれ異なる模様が施されています。同じ「ケーキ」といっても、色や模様によって、使われる場面も込められた意味も変わってきます。
赤と白、二色のケーキに込められた役割
トゥチャ族の伝統菓子として作られるこのケーキには、はっきりとした役割分担があります。
- 白いケーキは、主に祭祀や祈りをささげる儀式の場で用いられるものです。
- 赤いケーキは、新年をはじめとする祝いごとや大切な節目で、家族や地域の人びとと共に味わうためのものです。
白は静かで厳かな場面、赤は喜びあふれる場面と、色ごとに場面が分かれていることが分かります。ケーキそのものが「食べるためのもの」であると同時に、「どの場で、どのように生きるか」を示す文化の印でもあると言えます。
模様に刻まれた記憶とメッセージ
ケーキの表面には、それぞれ異なる模様が刻まれています。具体的な図柄は地域や家庭によってさまざまですが、いずれも「特別な日」であることを表すための工夫です。
模様は、単なる装飾ではありません。家族の繁栄や健康、豊かな一年を願う気持ちなど、口に出して語るだけではなく、形にして残したい願いが映し出されていると考えられます。食べる前に、まず目でそのメッセージを受け取るという点で、このケーキは視覚と味覚の両方で楽しむ文化だと言えるでしょう。
「つくる時間」が生むコミュニティのつながり
新年用のケーキ作りは、単なる家事や調理を超えて、地域のコミュニティを結びつける大切な行事でもあります。
- 年長者が若い世代に作り方や意味を伝える場になる
- 家族や親戚、近所の人びとが集まり、同じ作業をすることで自然と会話が生まれる
- 一年を振り返り、新しい年への願いを共有する時間になる
こうした時間の積み重ねが、目に見える「ケーキ」以上のものを残していきます。レシピだけではなく、「一緒に手を動かした記憶」そのものが、地域の財産になっていくのです。
多様な文化が共存する中国本土の一場面
今回伝えられたトゥチャ族の新年準備は、中国本土に暮らす多様な民族の文化の一つの断面です。国や地域の規模でみると、ニュースになりにくい小さな出来事かもしれませんが、その中には
- 季節の移り変わりをどう感じ、どう祝うか
- 目に見えない祈りや畏れを、どう形にしてきたか
- 世代を超えて何を残したいと考えているのか
といった、大きな問いにつながるヒントが詰まっています。
日本でニュースを読む私たちにとってのヒント
日本で暮らす私たちにとっても、「赤と白のケーキで新年を迎える」という国際ニュースは、どこか親しみを感じさせる話題ではないでしょうか。日本にも、年末年始に特別な料理を用意し、家族や地域で分かち合う文化があります。
異なるのは料理の名前や形であって、「新しい一年を良い年にしたい」「大切な人と同じものを食べて祝いたい」という気持ちは共通しています。だからこそ、離れた地域のこうしたニュースを知ることは、自分たちの暮らしを見直すきっかけにもなります。
シェアしたくなる「静かなニュース」を
派手な見出しや大きな事件ではないものの、トゥチャ族の新年ケーキ作りのようなニュースには、日常を少し豊かにしてくれる力があります。SNSで共有すれば、「こんな文化があるらしい」「うちの家の年越しはどうしている?」といった会話が生まれるかもしれません。
2025年の終わりに、中国本土の小さな自治県で受け継がれている赤と白のケーキの物語を知ることは、「自分にとっての新年の意味」を静かに問い直す時間にもなりそうです。
Reference(s):
Tujia people prepare traditional food for New Year celebration
cgtn.com








