生きたヘアリークラブを縛る職人技 指先が命のリスクと工夫 video poster
生きたカニがきれいにひもで縛られて並んでいるのを見たことはありますか。最近、ヘアリークラブ(hairy crab)を手際よく縛る様子を映した動画が注目され、その「危なくて緻密な仕事」に関心が集まっています。本記事では、この作業がなぜ必要で、どこにリスクがあるのかを、やさしく解説します。
なぜ生きたカニを縛るのか
動画のテーマは、動き回る生きたカニを、ひもでコンパクトに縛る作業です。見た目は地味ですが、現場にとっては重要な仕事です。その理由として、次のような点が挙げられます。
- 輸送や保管を安全にするため:はさみを縛ることで、カニ同士が傷つけ合うことを防ぎます。
- 人のケガを防ぐため:販売する人や購入した人が、持ち運びや調理の際にはさまれにくくなります。
- 見た目を整えるため:きちんと縛られたカニは、店頭での印象もよく、数を数えたり並べたりしやすくなります。
つまり「縛る」という一見単純な作業には、衛生面・安全面・販売のしやすさといった現場のニーズが詰まっているのです。
一瞬のスキを見せない手さばき
動画では、ヘアリークラブのような動きの素早いカニを、職人のような手つきで縛る様子が紹介されています。ポイントは「どこを持ち、どの順番でひもを回すか」です。
一般的な流れは次のようなイメージです。
- カニの甲羅の後ろ側からしっかりつかむ(はさみから距離を取るため)
- はさみを体の前で交差させるように押さえ込む
- ひもを甲羅とはさみの付け根に通しながら、数回巻きつける
- 最後にほどけにくい結び方で固定する
言葉にすると簡単そうですが、相手は生き物です。少しでも持ち方やひもの位置を誤ると、カニが突然動き出し、指先がはさまれる危険があります。そのため、熟練した人ほど、無駄のないスピードと落ち着いた動きを身につけています。
一番怖いのはやはり「指」
この作業が「リスキー」と言われる最大の理由は、やはり指先のケガです。
- はさみの力が強い:小さなカニでも、はさみには意外な力があり、皮膚を挟まれると大きな痛みや腫れにつながります。
- 予測しづらい動き:動画のように落ち着いて見えても、カニは急に暴れることがあります。
- 両手がふさがる:片手でカニを押さえ、もう片方でひもを扱うため、とっさに手を引きづらい場面もあります。
こうした理由から、慣れない人が安易に真似をすると、指先を大きく傷つけてしまうおそれがあります。動画はあくまで熟練した人の技の一端だと理解したうえで見る必要があります。
もし自分でやるなら? 安全のための最低限のポイント
動画には「自分でもやってみたい」と思わせる魅力がありますが、真似をするなら安全第一が大前提です。もし自宅でチャレンジする場合は、次のような点に注意することが重要です。
- 厚手の手袋を用意する:軍手やゴム手袋など、ある程度厚みのあるものを使い、素手での作業は避けます。
- 安定した台の上で行う:滑りやすい場所や狭いシンクの中ではなく、フラットで広い台を使います。
- 無理だと思ったらすぐやめる:怖いと感じたら、抵抗しているカニを無理に押さえつけないことが大切です。
- 子どもは近づけない:興味本位で手を伸ばしてしまうと、思わぬ事故につながります。
- 不安ならプロに任せる:店頭であらかじめ縛ってもらうなど、専門の人にお願いする選択肢もあります。
「自分でやってみる」こと自体は学びになりますが、その前提として、指や手を守るための工夫を決して惜しまないことが大切です。
動画が映し出す、食卓の裏側にある手仕事
ヘアリークラブを縛る動画は、一見すると小さな仕事のように見えます。しかし、その背後には、
- 食材を安全に届けるための工夫
- ケガと隣り合わせの現場で培われた経験
- 作業を効率化しながらも、生き物を扱うという緊張感
といった、さまざまな要素が詰まっています。私たちが何気なく買っている一匹のカニの陰には、このようなリスクを引き受けながら働く人たちの技術と注意力がある、という視点も見えてきます。
短い動画がきっかけでも、「これはどんな現場で、どんな人が、どんな思いでやっている作業なのか」と想像してみることで、日常の食卓や買い物の風景が少し違って見えるかもしれません。
生きたカニを縛る手さばきは、真似をするには慎重さが必要な危ない作業です。一方で、その危うさの中に、職人技ともいえる技術と経験が凝縮されています。動画を眺めるときは、「すごい」「面白い」で終わらせず、食文化と現場の安全の両方に思いをめぐらせてみるのもよさそうです。
Reference(s):
cgtn.com








