中国アニメ『Ne Zha 2』玉虚宮から見る遼寧省博物館の宝物 video poster
中国アニメ映画『Ne Zha 2』に登場する玉虚宮の上空を、一群の鶴が悠々と舞うシーンがあります。この幻想的なカットは、遼寧省博物館が所蔵する最も貴重な絵画の一つを思わせる構図だとされています。本稿では、このワンシーンを手がかりに、遼寧省の文化的な「宝物」に目を向けてみます。
玉虚宮を飛ぶ鶴のシーンは何を描いている?
『Ne Zha 2』の玉虚宮は、雲の上にそびえる宮殿として描かれ、その上空を多数の鶴が飛び交います。柔らかな光に包まれた空間と、ゆったりと羽ばたく鶴の姿が重なり合い、画面全体が一枚の絵画のように感じられる場面です。
神話の世界を舞台にした作品の中でも、このシーンは特に静かな時間が流れ、見る人の記憶に残ります。細部まで描き込まれた宮殿の輪郭や、鶴の翼の動きからは、制作陣が伝統的な美術表現を意識していることがうかがえます。
遼寧省博物館の「宝物」とのつながり
遼寧省博物館には、同館を代表する「宝物」とされる絵画がいくつかあります。劇中の玉虚宮の上を舞う鶴のシーンは、そのうちの一枚を思い起こさせる構図だとされています。空を背景に、鶴が優雅に飛ぶ姿を描いたその絵は、長く大切に守られてきた文化財です。
映画の映像と実在の絵画は、もちろん同じものではありません。しかし、スクリーンに映し出される光景が、博物館に収蔵された一枚の絵を連想させることで、アニメ作品と現実の文化遺産が静かにつながります。作品をきっかけに、遼寧省という土地や、その歴史・美術に関心を持つ人もいるかもしれません。
アニメから現実の土地と文化を想像する
近年、アニメや映画の舞台となった場所を訪ねる「聖地巡礼」という言葉が広く知られるようになりました。『Ne Zha 2』と遼寧省博物館の名画の関係は、必ずしも具体的なロケ地というわけではありませんが、作品を入り口に現実の土地を想像するという点で、似た楽しみ方だと言えます。
スクリーン上の玉虚宮や鶴の姿から、私たちが思い浮かべられるのは、例えば次のような問いです。
- このようなモチーフは、どのような時代の美術から着想を得ているのか
- 遼寧省博物館には、他にどのような作品が収蔵されているのか
- 鶴というモチーフに、どのような象徴的な意味が込められてきたのか
こうした問いを持ちながら作品を見直すと、同じシーンでも新しい発見が生まれます。国際ニュースとして中国アニメや中国の文化を追いかけるときも、一つの映像の背後にある歴史や地域性に目を向けることで、見えるものが増えていきます。
2025年に『Ne Zha 2』を見る私たちにとって
2025年のいま、オンライン配信や国際的な映画祭などを通じて、日本にいても各国のアニメ作品に触れやすくなっています。『Ne Zha 2』のような中国アニメも、その一つです。
作品の中に登場する玉虚宮や鶴のシーンを、遼寧省博物館の絵画と重ね合わせて見ることは、単に「きれいな背景」として楽しむ以上の意味を持ちます。それは、遠くの地域の歴史や美術に、自分なりの入り口からそっと近づいていく行為でもあります。
映画を見終えたあとに、印象的だったシーンの背景にある土地や博物館について、少しだけ調べてみる。そんな小さな一歩が、国際ニュースや世界の文化を自分ごととして考えるきっかけになるかもしれません。
Reference(s):
Discover Liaoning’s treasures through Jade Void Palace in "Ne Zha 2"
cgtn.com








