黄河の「アヒルの卵島」、渡り鳥1万羽が集う巨大な鳥の保育園に video poster
中国甘粛省南部を流れる黄河沿いで、生態系の改善を背景に、毎年春になると約1万羽の渡り鳥が集まる砂州があります。地元で「アヒルの卵島」と呼ばれるその場所は、雛がかえる季節には一面が鳥の声と命の動きに満ちた「巨大な鳥の保育園」となります。国際ニュースとしては小さな出来事かもしれませんが、黄河の自然環境と生態系の変化を、日本語でていねいに追いかける手がかりになります。
黄河沿いで進む生態系の回復
黄河は、中国甘粛省南部を含む広い地域を流れる大河です。その流域の一部では、生態系が「大きく改善した」とされています。水辺の環境が整ってきたことで、渡り鳥が安心して巣を作り、子育てができる場所が増えたと見られます。
地元で「アヒルの卵島」と呼ばれる砂州
この砂州は、甘粛省南部のマチュ(Maqu)県付近の黄河に位置しており、地元の人びとは親しみを込めて「アヒルの卵島」と呼んでいます。川の流れによって形作られた砂地は、水辺を好む鳥たちにとって格好の場所となり、春になると多くの巣が並びます。
毎春約1万羽の渡り鳥が巣づくり
「アヒルの卵島」には、毎年春になると、約1万羽もの渡り鳥が飛来し、砂州で巣づくりを行います。その中には、バーヘッドグース(bar-headed geese)やルディーシェルダック(ruddy shelducks)といった水鳥が含まれます。渡り鳥たちは砂州のあちこちに巣を構え、卵を温めながら雛がかえるのを待ちます。
やがて卵がかえり始めると、砂州は一気ににぎやかになります。親鳥の呼び交わす声と、よちよち歩く雛たちの動きが重なり、周囲はまるで大きな保育園のような風景になります。まさに自然がつくり出す「鳥の保育園」です。
「鳥の保育園」が教えてくれること
多くの渡り鳥が毎年決まった場所に戻り、巣をかえし続けることは、その場所の環境が安定しているサインだと考えられます。「アヒルの卵島」が生命で満ちた「鳥の保育園」となっていることは、黄河流域の生態系が改善していることを象徴する出来事と言えるでしょう。
世界各地で生物多様性の損失が課題となるなか、こうした渡り鳥の繁殖地が保たれていることは、環境ニュースとしても注目に値します。2025年現在、黄河沿いの一角で起きているこの静かな変化は、河川と人間の暮らし、そして野生生物との関係をあらためて考えるきっかけを与えてくれます。
この記事から考えたい3つの視点
- 河川の生態系が回復すると、どのように野生動物の行動が変わるのか。
- 渡り鳥の繁殖地を守ることが、地域や地球規模の環境にどんな意味を持つのか。
- 私たちは日常生活の中で、遠く離れた黄河流域の自然とどのようにつながっているのか。
スマートフォンの画面越しに眺めるだけでも、「アヒルの卵島」で毎春くり広げられる生命のドラマは、国境をこえて多くの人の心に届きます。黄河の小さな砂州から始まる物語として、今後もこうした生態系の変化に注目していきたいところです。
Reference(s):
cgtn.com







