端午節の中国で「幸運のヒョウタン」が大人気 山西省の文化園で1日1万個超が売れるワケ video poster
今年の端午節シーズン、中国山西省長治市にあるヒョウタン文化園が買い物客で大きなにぎわいを見せました。中国ニュースとしても注目されたのは、縁起物として人気のヒョウタン工芸品が飛ぶように売れたことです。
端午節シーズン、中国山西省のヒョウタン文化園がにぎわう
長治市のヒョウタン文化園では、端午節に合わせて伝統的なヒョウタン工芸品がずらりと並びました。園内には、祭りの雰囲気を楽しみながら買い物をする家族連れや若いカップルなど、多くの人びとが訪れたとされています。
文化園の関係者によると、端午節前後の過去1週間あまりは、ヒョウタン関連の工芸品が1日あたり1万点を超えるペースで売れる日が続いたといいます。こうした数字からも、伝統文化と祝祭ムードが結びついた消費の熱気がうかがえます。
なぜヒョウタンが「福」と「富」を呼ぶのか
今回の中国の動きを理解する鍵になるのが、ヒョウタンに込められた「ことば遊び」と信仰です。中国語でヒョウタンを表す hulu という音は、「福」と「豊かさ」「繁栄」を意味する fulu に似ています。
この発音の近さから、ヒョウタンは「福禄」、つまり「幸せと富」をもたらす縁起物とされてきました。端午節のような節句のタイミングでヒョウタンを飾ったり、人に贈ったりすることは、「祝福」と「繁栄」を願う行為でもあります。
日本でもダルマや招き猫が「福を呼ぶ」とされるように、中国ではヒョウタンがその役割を担っている、とイメージすると分かりやすいかもしれません。
数字で見る「1日1万個」のインパクト
工芸品が1日に1万点以上売れるというのは、小さな文化施設としては決して小さくない数字です。単純計算でも、端午節シーズンの1週間で数万点規模のヒョウタンが消費されたことになります。
背景には、いくつかの要素が重なっていると考えられます。
- 端午節という、もともと「厄よけ」や「健康祈願」と結びついた祝日の存在
- ヒョウタンに「福」と「富」を重ねる中国語の発音文化
- 手作り感のある伝統工芸品を、自宅のインテリアやギフトにしたいというニーズ
- 観光地で「思い出に残る小さなもの」を買いたいという心理
こうした要素が組み合わさることで、端午節の短い期間に需要が一気に高まり、1日1万点超という販売ペースにつながったとみられます。
伝統工芸と地域ビジネスのかたち
長治市のヒョウタン文化園のように、特定のモチーフに特化した「文化パーク」は、中国各地で少しずつ存在感を高めています。今回のヒョウタンブームも、単なるお土産販売にとどまらず、地域の産業や雇用を支える役割を持っている可能性があります。
ヒョウタンのような伝統工芸品は、
- 地元の職人の技術を次の世代に伝える
- 観光客に「ストーリーのある商品」として訴求できる
- オンライン販売を組み合わせることで、地域外の人びとにも届けられる
といった特徴を持ちます。端午節をきっかけに需要が高まることで、年間を通じてのブランドづくりや商品開発に弾みがつく可能性もあります。
デジタルネイティブ世代と伝統文化
今回のようなニュースは、デジタルネイティブ世代が伝統文化にどのように関わっているかを考えるヒントにもなります。SNS に載せやすいビジュアル性の高い工芸品は、「かわいい」「映える」といった評価と、縁起やストーリー性が結びつくことで、新しいファンを生み出しやすくなります。
ヒョウタン工芸品も、端午節の飾りとしてだけでなく、部屋にさりげなく置くインテリアや、友人への小さな贈りものとして楽しまれていると考えられます。「意味のあるモノを身近に置きたい」という感覚は、日本の若い世代にも共通するところがありそうです。
日本から見る中国の季節行事
日本にも節分や七夕、正月飾りなど、季節ごとに「厄よけ」や「福」を意識する行事が多くあります。中国の端午節とヒョウタンの組み合わせは、そうした日本の風習と重ね合わせながら見ると、より具体的にイメージできるでしょう。
国際ニュースを通じて、他国の祝日と縁起物の関係を知ることは、自分たちの文化をあらためて見直すきっかけにもなります。山西省長治市のヒョウタン文化園で起きた「1日1万個」の現象は、単なる珍しい話題ではなく、伝統文化と日常の消費が交差する現代中国の一断面として読むことができます。
次に端午節やそれに関する中国ニュースを目にしたとき、そこにどんな「願い」や「ことば遊び」が込められているのか、少し立ち止まって考えてみると、新しい見え方が広がるかもしれません。
Reference(s):
Lucky gourds fly off shelves as Dragon Boat Festival arrives
cgtn.com








