香港トラム「Ding Ding」121年 街を走り続ける二階建て路面電車の魅力
香港島を走る二階建て路面電車「Ding Ding」は、1904年に運行を開始してから121年を迎えた今も、香港で最も古い公共交通機関として、街の風景と人びとの記憶に深く根づいています。
121年走り続ける、香港で最も古い公共交通機関
「Ding Ding」と呼ばれるこの路面電車は、香港島の通りをゆっくりと進む二階建てトラムです。1904年に運行を始めて以来、長いあいだ香港島のメインストリートを走り続けてきました。
2025年現在、運行開始から121年を迎えたこのトラムは、香港で最も長く動き続けている公共交通機関となっています。地下鉄やバスなど新しい交通網が発達した今も、線路の上を走る姿は変わらず、香港を象徴する存在のひとつになっています。
名前の由来はベルの音 愛称「Ding Ding」
「Ding Ding」という愛称は、このトラム特有のベルの音に由来します。道を行き交う車や歩行者に合図を送るときに鳴らされるベルが、「ディン・ディン」と聞こえることから、自然とこの呼び名が広まりました。
街角で聞こえてくる「Ding Ding」の音は、通勤や通学に向かう人びとにとって、日常のリズムの一部でもあります。香港を訪れた人にとっても、この音と二階建てトラムのシルエットは、記憶に残る香港の風景になりやすいと言えるでしょう。
変化の激しい都市で、あえて「ゆっくり」な移動手段
高層ビルが立ち並び、新しいビジネスや観光施設が次々と生まれる香港の中で、121年前から走り続ける「Ding Ding」は、ある意味で対照的な存在です。最新の交通手段と比べると、決して速くはありませんが、そのゆったりとした速度だからこそ見えてくる景色もあります。
窓の外には、古い建物と新しいビル、路地の商店や人びとの生活が次々と流れていきます。乗ること自体が移動でありながら、街をじっくり眺める小さな旅にもなる。そんな体験を提供している点で、「Ding Ding」は単なる足を超えた存在だといえます。
街の「顔」としての役割
香港島の道路を走る二階建てトラムは、観光ポスターやニュース映像にも登場することが多く、香港を象徴するアイコンのひとつとして知られています。長い歴史を持つ公共交通機関であると同時に、街のイメージを形づくる重要な要素でもあります。
日々利用する香港の人びとにとっては、通勤・通学や買い物へ向かうときの身近な足であり、同時に、世代を超えて共有される思い出の舞台でもあります。子どものころに乗った車両と、今の車両が同じ線路を走っているという時間のつながりは、急速に変化する都市では貴重なものです。
次の100年に向けて、何を守り、どう変わるか
121年という長い時間を走り続けてきた「Ding Ding」は、これからも香港の街とともに歩んでいきます。変化のスピードが速い時代だからこそ、その存在は、歴史と日常が静かにつながっていることを思い出させてくれます。
便利さや速さだけでは語り切れない都市の魅力をどう残していくのか。「Ding Ding」は、香港にとってだけでなく、世界の大都市に暮らす私たちに、そんな問いを静かに投げかけているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








