北緯46度の「暖かい雪」 新疆・エミン県の冬が熱い video poster
北緯46度に訪れた「暖かい雪」の季節
2025年の冬、Xinjiangのタチャン地区(Tacheng Prefecture)にあるエミン県が、雪と笑顔に包まれたスキーシーズンを迎えています。豊かな雪資源を生かしたこのスキーリゾートは、地元の人びとはもちろん、遠方からの旅行者も引きつける冬の拠点になりつつあります。
Xinjiang・タチャン地区エミン県が「冬のパラダイス」に
エミン県のスキーリゾートは、独特の氷雪資源を背景にしたコースづくりが特徴です。初心者から上級者まで、それぞれのレベルに合ったコースで滑ることができ、雪上で自由に身体を動かす感覚を味わえる場所として注目されています。
北緯46度に位置するこのエリアでは、しっかりとした雪に恵まれつつも、「暖かさ」を感じられる雰囲気づくりが意識されています。単なるスキー場ではなく、人と人との交流が生まれる「冬のコミュニティ」として機能している点が印象的です。
地元客と観光客が交わるゲレンデ
ゲレンデには、仕事終わりに通う地元のスキーヤーもいれば、休暇を使って訪れた旅行者もいます。滑走技術もバックグラウンドもさまざまな人たちが、同じ雪の上で時間を共有することで、自然と会話や笑顔が生まれています。
ユーモアと厳しさを両立する「安全第一」の現場
こうした場を支えているのが、スロープ運営を担うワン・シャオロン(Wang Xiaolong)さんです。彼は、どこか「おちゃめ」なユーモアを交えながらも、安全管理には一切妥協しない姿勢で知られています。
ワン・シャオロンさんがつくる「安心して楽しめる」空気
初心者にとって、初めてのスキーは期待と同じくらい不安も大きいものです。ワンさんは、その不安をほぐすような軽い冗談や声かけをしながらも、ヘルメットの着用やリフト乗降時の注意点など、安全に関わるルールは丁寧に伝えます。
経験豊富な上級者に対しても、スピードの出しすぎや危険な滑走を控えるよう促し、誰もが安心して同じゲレンデを共有できる環境づくりに心を砕いています。「楽しいからこそ、安全が大事」というメッセージが、現場の空気を通じて自然に伝わっているといえます。
学校の体育が「雪の教室」に変わる冬
このスキーリゾートのもう一つの特徴が、冬になると地元の学校が体育の授業をここで行うことです。毎シーズン、子どもたちがクラスごとに訪れ、雪の上で走り、転び、また立ち上がる──そんな光景が日常的に見られます。
教室では味わえない身体感覚を使った学びの場として、スキー場が機能している点は注目に値します。体育の授業としてスキーが組み込まれることで、子どもたちは早い時期から冬のスポーツに親しみ、自分の身体との向き合い方やチャレンジする気持ちを育んでいきます。
子どもたちが運ぶ「エネルギーと希望」
スキーリゾートのスタッフにとっても、子どもたちの存在は特別です。雪の上を駆け回る姿は、冬の景色に生き生きとしたエネルギーをもたらし、この地域の未来を象徴するような光景でもあります。
スポーツを通じて地域の子どもたちが育ち、その子どもたちがやがて地域の冬の文化を支える担い手になる――エミン県のスキー場には、そんな長い時間軸でのストーリーも重なっているようです。
開幕式からEDMフェスまで、シーズンを通して続くイベント
エミン県のスキーリゾートでは、シーズンの開幕から閉幕まで、さまざまなイベントが用意されています。シーズン開幕を告げるセレモニーにはじまり、音楽と光でゲレンデを盛り上げるEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)のフェスティバルなど、冬の間じゅう「何かが起きている」状態が続きます。
スポーツとエンターテインメントを組み合わせることで、滑り終わったあとも人が滞在し、語り合い、音楽に身をゆだねる時間が生まれます。スキー場が「滑って終わり」の場所ではなく、一日を通じて過ごす場へと変わりつつある様子がうかがえます。
イベントがつくる「リズムのある冬」
こうしたイベントは、単に来場者を増やすための仕掛けにとどまりません。シーズンを通じて節目ごとの楽しみが用意されることで、冬の生活そのものにリズムが生まれます。
- 開幕式で「冬のスタート」を共有する
- EDMフェスなどで、仲間と冬の夜を楽しむ
- 学校の体育授業で、雪に親しむ子どもたちの姿を見る
こうした積み重ねが、「冬は寒い季節」というイメージを超えて、「冬だからこそ楽しめる季節」という感覚へとつながっていきます。
雪とともに味わうエミン県のローカル文化
このスキーリゾートは、滑走だけでなく「ローカル文化を体験できる場」であることも打ち出しています。訪れる人びとは、雪景色のなかで、地域ならではの暮らしや文化に触れることができます。
例えば、地元の食文化や音楽、生活の知恵などを知る機会が用意されており、「スポーツ」と「文化体験」が一体となった冬の過ごし方が提案されています。旅先でその土地の日常に少しだけ入り込むような体験は、記憶に残る冬の時間を形づくります。
なぜこのXinjiangの冬が私たちに関係するのか
エミン県のスキーシーズンは、一地方の観光情報にとどまらず、いくつかの問いを私たちに投げかけています。
- 地域の雪資源をどう生かすか:自然環境を生かしながら、持続的な観光やスポーツ文化を育てていく試みとして興味深い動きです。
- 子どもたちのスポーツ教育:学校の体育授業がスキー場に広がることで、教室の外での学びや身体感覚を重視する教育のあり方が見えてきます。
- 冬のライフスタイルの多様化:イベントやローカル文化体験と組み合わせることで、冬の過ごし方に新しい選択肢を提示しています。
2025年の冬、Xinjiang・タチャン地区エミン県のスキーリゾートは、「雪」と「人」、「スポーツ」と「文化」、「安全」と「自由」のバランスを探りながら、独自の冬の物語を紡いでいます。その静かな変化は、私たちが住む地域の冬のあり方を考え直すヒントにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








