広西の断崖本屋、巨大な陥没穴を文化リトリートに
広西チワン族自治区の羅城ムラオ族自治県で、巨大な陥没穴の縁に建てられた断崖本屋が登場し、読書家と冒険好きの人々を引きつけています。自然の驚異と文化を掛け合わせた新しい観光スポットとして、2025年現在注目を集めています。
断崖に現れた「本の洞窟」
この書店は、羅城ムラオ族自治県にある景勝地の断崖に設けられています。足元には、数百メートルもの深さがあるとされる巨大な陥没穴が口を開け、その縁に書店の空間がしつらえられています。
店内の一方は奈落のような空間に向かって開け、もう一方の壁には本棚が整然と並びます。視界の片側には底知れない暗い空間、もう片側には光を受けた本の背表紙という、非日常的なコントラストの中で本を読むことができるのが特徴です。
本を求めて訪れる人だけでなく、崖の縁というスリルを体験したい人や、変わった場所での写真や動画を撮影したい人にとっても、一度は訪れてみたくなる空間といえます。
絶景と読書が同居する「文化リトリート」
この断崖本屋は、いわゆる日常から少し距離を置き、自分と向き合う時間を過ごす「リトリート」の場としても機能しそうです。深い陥没穴を目前にしながら、本を開いて静かにページをめくる体験は、都会のカフェや自宅とはまったく違う感覚をもたらします。
訪れる人が感じられそうな魅力を整理すると、次のようになります。
- 崖の縁という緊張感と、本に没頭する静けさの同時体験
- 巨大な地形と向き合うことで、自分の時間や人生を見つめ直すきっかけ
- 写真や動画だけでは伝えきれない、空気感や音、足元の感覚まで含めた体験型の読書空間
単なる「映えるスポット」にとどまらず、心を落ち着かせたり、考えごとをしたりするための場として、繰り返し訪れる人も出てきそうです。
景勝地のミッションは「自然と文化の融合」
このプロジェクトは、景勝地側が掲げる「自然の驚異と文化を融合させる」というミッションを体現した試みでもあります。巨大な陥没穴はそれ自体が地質学的に貴重な存在ですが、そこに本屋という文化的な機能を重ねることで、場所の意味が一段と広がります。
ただ眺めるだけの観光から、自然の中で学び、考え、滞在する観光へ。断崖本屋は、こうした方向性を象徴する空間といえます。
2025年の観光トレンドを振り返ると、世界各地で「自然体験」と「文化体験」を切り離さずに一体化させようとする動きが広がっています。その中で、巨大な地形の縁に本屋を開くという発想は、インパクトだけでなくコンセプトの面でも、注目を集めやすい取り組みといえるでしょう。
安全や環境への配慮も鍵に
一方で、断崖や陥没穴の縁に人を呼び込む以上、安全面や環境への配慮は欠かせません。こうした場所での施設運営では、次のような点が重要になります。
- 転落防止の柵や通路設計など、基本的な安全対策
- 人の出入りが増えることによる地形や植生への影響を抑える工夫
- 混雑をコントロールし、静けさや読書環境を守るための運営ルール
自然のスケール感を肌で感じられる場所であるほど、保護と活用のバランスをどう取るかが大きなテーマになります。断崖本屋の取り組みは、そのバランスを模索する一つの事例としても位置づけられそうです。
日本の読者にとってのヒント
広西の断崖本屋のニュースは、日本で暮らす私たちにもいくつかの問いを投げかけます。
- 身近な自然や景観と、読書やアートなどの文化をどう結びつけられるか
- 観光客を増やすことと、静かな環境や自然環境を守ることをどう両立させるか
- 「本を読む場所」をもっと自由に、創造的に考え直せるのではないか
日常から少し離れた場所で本を読むとき、人はふだんとは違う視点を持ちやすくなります。巨大な陥没穴の縁という極端なロケーションだからこそ、本の内容だけでなく、「自分はいまどこにいて、何を感じているのか」という感覚も含めて、読書体験そのものが変わってくるはずです。
自然のスケールと文化の静けさを同時に味わえる広西の断崖本屋。国際ニュースや海外の文化動向に関心のある読者にとって、これからの観光と読書のあり方を考えるきっかけになる場所といえそうです。
Reference(s):
Cliffside bookstore in Guangxi turns sinkhole into cultural retreat
cgtn.com








