中国シーザンの風を切る矢ビシウ 1000年続く無形文化遺産
中国のシーザン地域で受け継がれてきた伝統の矢ビシウ。約1000年の歴史を持つこのチベットの矢は、放たれた瞬間に鋭い音を響かせることで知られ、いま無形文化遺産として注目を集めています。 ビシウは、シーザンの人びとに伝わるチベットの矢です。地域の記憶のなかで、少なくとも1000年以上にわたり受け継がれてきたとされます。 ビシウの大きな特徴は、先端の木製の部分に4つの穴が開いていることです。矢が放たれると、この部分が空気を切り裂き、鋭い笛のような音を響かせます。視覚だけでなく、耳でも矢の軌跡を感じられる道具だと言えるでしょう。 2007年、ビシウはシーザンの無形文化遺産リストに登録されました。形の残る建物や工芸品とは異なり、無形文化遺産とは、技や行事、演奏やスポーツなど、人びとの暮らしのなかで受け継がれてきた生きた文化を指します。 ビシウの技術や楽しみ方を無形文化遺産として位置づけることで、地域社会にとっての価値が改めて意識され、次の世代に伝えていこうとする動きが強まります。 現在、ビシウはシーザンの地域で開かれる民族スポーツ大会の目玉の一つになっています。競技の場では、矢が放たれるたびに鋭い音が響き渡り、会場の空気を一気に変えます。 ビシウは中国各地から訪れる観光客にとっても人気の体験です。実際に弓を引き、矢を放つ瞬間に耳元をかすめる音を聞くことで、長い歴史を持つ文化に自分の身体を通して触れている実感を得られます。 ビシウのように音を通じて体験する無形文化遺産は、写真や展示だけでは伝わりにくい魅力を持ちます。スマートフォンの画面越しに見るだけでなく、現地で風や音、緊張感を全身で感じることが、文化の理解を深める手がかりになるかもしれません。 どこに暮らし、どこを訪れるとしても、私たちが出会う一つひとつの文化の背景には、ビシウのように長い時間をかけて受け継がれてきた物語があります。その物語に耳を傾けることから、国際ニュースの見え方も少し変わってくるのではないでしょうか。1000年以上受け継がれるチベットの矢
木製の矢じりが生む風を切る音
2007年、シーザンの無形文化遺産に
民族スポーツ大会の目玉、観光客にも人気
音で味わう無形文化遺産という視点
Reference(s):
cgtn.com








