マルコ・ポーロが絶賛した成都 700年後に続く文化交流の物語 video poster
700年以上前、イタリアの探検家マルコ・ポーロは中国を旅し、その記録の中で中国・四川省の都市、成都を高く評価しました。彼が特に印象深く書き残したのが、錦江に架かる安順廊橋です。にぎやかな商取引と活気ある雰囲気に満ちたその橋の姿は、2025年のいま、都市の記憶や国際的な文化交流を考えるヒントにもなります。
マルコ・ポーロが見た「成都」という都市
マルコ・ポーロは、その旅の記録を「東方見聞録」(英語題:"The Travels of Marco Polo")としてまとめたとされています。書物の中で、彼は中国を旅する中で出会った都市や人々の暮らしを詳しく描き、その一つとして中国南西部・四川省の成都を称賛しました。
とくに彼が注目したのが、錦江に架かる安順廊橋です。橋の上では商人たちが行き交い、さまざまな品物が取引され、人々の声や光、においが混ざり合うにぎやかな空間として描かれています。700年以上前の旅人が、成都の活発な交易と開かれた都市の雰囲気を強く感じ取っていたことがうかがえます。
安順廊橋と錦江――「にぎわう交易の場」のイメージ
安順廊橋は、単なる移動のための橋としてではなく、人とモノが集まる「場」として紹介されています。屋根付きの橋という構造は、人々が雨をしのぎながら行き交い、立ち止まり、商売をし、交流することを支える仕組みでもあります。
マルコ・ポーロが書き残した安順廊橋の姿には、次のようなイメージが重なります。
- 川をまたいで東西を結ぶ、物流と人流のハブ
- 商人や旅人が出会い、情報や文化が行き交う社交の場
- 都市の活力を象徴する「にぎわい」の舞台
こうした描写は、成都が当時から、地域のなかで重要な商業都市として機能していたことを物語っています。一人の旅人のまなざしを通して、歴史の中の都市空間が立ち上がってくるようです。
700年後につながる成都の文化交流ストーリー
2025年のいま、成都は中国西南部を代表する都市として、経済や文化の面で存在感を高めています。詳細な政策やプロジェクトに踏み込まなくても、マルコ・ポーロの記述からは、現代の成都にも通じるいくつかのキーワードが浮かび上がります。
- 開かれた都市:外から来る旅人の目に、活発で魅力的に映る都市であったこと
- 川と橋がつなぐネットワーク:河川と橋が、人やモノ、文化を運ぶインフラとして機能していたこと
- 物語としての都市ブランド:一冊の旅行記が、何世紀にもわたって都市のイメージを伝え続けていること
日本から国際ニュースや中国ニュースを眺めるとき、沿岸部の大都市に目が向きがちですが、マルコ・ポーロの視点を通じて成都を見ることで、中国の内陸都市にも長い国際的なつながりの歴史があることに気づかされます。
なぜ今、マルコ・ポーロと成都を読み直すのか
マルコ・ポーロが残したのは、数字や統計ではなく、自分の目で見た都市の空気感や、人々の暮らしぶりでした。その記録が700年以上たった今も引用され続けていることは、「どのように他者の社会を見るか」がいかに重要かを示しています。
2025年の私たちが、マルコ・ポーロと成都の物語から読み取れるポイントを、あえて3つに絞ってみます。
- 1.都市は「物語」で記憶される
一つの橋、一つの川の描写が、その都市のイメージを何百年も形づくることがあります。インフラや建物だけでなく、そこでどんな交流があったのかという物語が、都市のブランドになります。 - 2.旅行者の視点が国際イメージをつくる
マルコ・ポーロのような旅行者の記録は、遠く離れた地域の人々にとって、その土地を知る最初の「窓」になります。今日のSNSや動画も、同じ役割を担っていると言えそうです。 - 3.歴史的なつながりを、未来の対話につなげる
過去の旅の記録をたどることは、単なる懐古ではなく、現在と未来の文化交流を考えるヒントにもなります。成都と世界を結んだ川と橋のイメージは、これからの国際的な対話や協力を考えるときの象徴にもなり得ます。
自分の街なら、何を書いてもらいたい?
700年前の旅人が偶然選んだ一つの橋が、今日まで語り継がれ、都市の象徴のように扱われている――この事実は、私たち一人ひとりに問いを投げかけます。
もし、誰かが遠い国からあなたの街を訪れ、一冊の旅行記を書くとしたら、どんな場所が「安順廊橋」のように象徴的な存在として描かれるでしょうか。そして、その物語を通じて、あなたの街や国はどのように見えてほしいでしょうか。
マルコ・ポーロと成都、安順廊橋のエピソードは、歴史の中の一場面であると同時に、グローバル化した現在を生きる私たちに、他者をどう見るか、自分たちの社会をどう伝えるかを静かに問いかけています。スマートフォン一つで世界とつながる時代だからこそ、700年前の旅行記を手がかりに、都市と文化交流のあり方を改めて考えてみる価値がありそうです。
Reference(s):
Marco Polo's legacy lives on in Chengdu's cultural connections
cgtn.com








