新疆の湿った砂漠・グルバントンギュト砂漠とは?雪に覆われる巨大砂漠の素顔 video poster
冬になると砂丘が雪で覆われる中国・新疆ウイグル自治区のグルバントンギュト砂漠。中国で2番目に大きい砂漠でありながら「湿った砂漠」と呼ばれるこの場所は、2025年現在、環境や気候を考えるうえで静かに注目を集めています。
雪に覆われる「湿った砂漠」とは
グルバントンギュト砂漠は、英語では「wet desert(湿った砂漠)」と表現されます。最大の理由は、冬になると砂丘の表面が雪で覆われるからです。
砂漠というと、多くの人が「一年中カラカラに乾いた砂の世界」をイメージするかもしれません。しかし、この砂漠では季節によって水分の状態が変化し、寒い時期には雪が積もる風景が広がります。
つまり、年間を通じて乾燥した地域でありながら、冬季には雪という形で水分が存在する──このギャップが、「湿った砂漠」というユニークな呼び名につながっているのです。
場所とスケール:ジュンガル盆地の巨大砂漠
グルバントンギュト砂漠が位置するのは、中国北西部の新疆ウイグル自治区、ジュンガル盆地と呼ばれる地域です。盆地とは周囲を山などに囲まれた地形のことで、その内部に広大な砂漠地帯が広がっています。
この砂漠には、次のような特徴があります。
- 中国で2番目に大きい砂漠であること
- 「固定砂漠・半固定砂漠」と呼ばれるタイプとしては、中国最大の規模を持つこと
固定砂漠・半固定砂漠とは、風によって激しく動き続ける砂丘とは異なり、地形や植生などによってある程度場所が安定している砂漠を指す言葉です。動き続ける砂ではなく、比較的「落ち着いた」砂の世界が広がっている、とイメージすると分かりやすいかもしれません。
ほとんど何もない?それでも息づく命
グルバントンギュト砂漠には、わずかではありますが植物や動物も暮らしています。主役となるのは、次のような生き物です。
- 短い期間だけ姿を見せる「一時的な植物(エフェメラル・プランツ)」
- 厳しい乾燥に耐えられるよう進化した、乾燥に強い動物たち
一時的な植物は、限られた水分や気温の条件が整ったときだけ一気に芽吹き、開花し、種を残して短い一生を終えます。雨や雪解けといったわずかなチャンスを逃さず、素早く成長する戦略で、この過酷な環境に適応しているのです。
また、乾燥に強い動物たちは、水をほとんど使わずに体内の水分を守る仕組みや、砂の温度変化に耐える行動パターンを持っていると考えられます。広大で過酷に見える砂漠の中でも、生き物たちはそれぞれのやり方でバランスを保ちながら暮らしているのです。
砂漠から見える、これからの地球環境
国際ニュースでは、気候変動や水資源の問題が頻繁に取り上げられます。そうした文脈で見てみると、「湿った砂漠」であるグルバントンギュト砂漠は、私たちにいくつかの問いを投げかけます。
- 同じ砂漠でも、地域や季節によって水との付き合い方は大きく違うのではないか
- 厳しい環境の中で生きる植物や動物の適応から、私たちは何を学べるのか
- 「何もない」と思い込んでいる場所にも、多様な生態系や時間の流れが隠れているのではないか
2025年の今、世界各地の環境や生態系に目を向けることは、単なる知識の習得にとどまりません。自分たちの暮らしと地球環境がどのようにつながっているのかを考えるきっかけにもなります。
中国・新疆ウイグル自治区のグルバントンギュト砂漠は、雪に覆われる砂丘と、わずかに息づく生命が共存する「静かな実験場」のような場所です。ニュースや記事を通じてこうした風景を知ることで、私たちの日常の見え方も少し変わってくるかもしれません。
あなたなら、この「湿った砂漠」からどんなことを考えますか。
Reference(s):
cgtn.com








