上海のアート・オブ・リビング:カフェと街路樹がつくる日常のリズム video poster
上海の街路に並ぶプラタナスの木陰で、人びとの暮らしがゆっくりとしたリズムを刻んでいます。通りで交わされる会話、温かいミルクの香りが漂うカフェ、仕事と学びを同じ空間でこなすプロフェッショナルたち。国際都市・上海の「アート・オブ・リビング」を、日本語でのぞいてみます。
街路樹に縁取られた「毎日」という風景
上海の通りを歩くと、何十年も街を見守ってきたようなプラタナスの並木がつくるトンネルのような景色が広がります。その足元では、住民どうしが立ち話をしたり、近くの店の前でのんびり腰掛けたりと、ゆるやかな時間が流れています。
信号待ちのあいだにご近所の近況を確かめ合うような、ささやかなやりとりも日常の一部です。車や地下鉄が絶えず行き交うなかでも、街角には人の声がしっかりと残っている――そんな印象を受けます。
ミルクの香りとノートパソコンが混ざり合うカフェ
上海のライフスタイルを語るうえで欠かせないのがカフェ文化です。蒸したミルクの甘い香りに包まれた店内では、学生たちが教科書やノートパソコンを広げ、静かに勉強しています。カウンター越しには、スマートフォン片手に打ち合わせをするビジネスパーソンの姿もあります。
ひとつのテーブルに、参考書、ノートパソコン、コーヒーカップが同時に並ぶ光景は珍しくありません。学びと仕事、そしてくつろぎの時間が同じ場所で溶け合うことが、上海の「アート・オブ・リビング」を象徴しているようです。
仕事と暮らしを「混ぜる」プロフェッショナルたち
在宅勤務やオンライン会議が広がるなか、上海ではカフェを「第三の仕事場」として使う人が目立ちます。朝はメールをチェックし、昼には友人とランチ、午後は静かな席で集中して作業をする。ひとつの空間の用途を時間帯で切り替えながら、一日のリズムをつくっていきます。
オフィスと自宅をまっすぐ往復するのではなく、街のあちこちに自分の「居場所」を持つことで、心と体のバランスをとる。そうした働き方の工夫が、上海のプロフェッショナルの日常に自然となじんでいるように見えます。
都市の速さと人の速さのあいだで
巨大な都市として絶えず変化し続ける上海では、すべてが高速で動いているように感じられがちです。しかし、街路樹の下で交わされる立ち話や、ミルクの香りに包まれたカフェで過ごす時間は、そのスピードから少し距離を置かせてくれます。
言い換えれば、人びとは「都市の速さ」と「自分の速さ」のあいだでバランスを取りながら暮らしています。飛行機が行き交う国際都市であっても、日々の小さな ritual(儀式)の積み重ねが、安心感や豊かさを生み出しているのです。
上海の暮らしから、日本の私たちが持ち帰れるヒント
上海のアート・オブ・リビングは、特別な贅沢ではなく、小さな習慣の積み重ねから成り立っています。例えば次のような視点は、日本で暮らす私たちにとっても参考になりそうです。
- 通勤や移動の途中に、あえて「立ち話」や雑談の時間を挟む
- 仕事と勉強、くつろぎをひとつの場所でゆるやかに切り替える
- お気に入りのカフェや公園を、自分なりの「第三の居場所」にする
- 街の音やにおいを意識して味わい、日々の風景を記憶にとどめる
国や都市が違っても、暮らしを少しだけ丁寧に味わおうとする感覚は共有できます。上海の街角に流れる穏やかなリズムは、忙しい毎日を過ごす私たちに、「自分のペースで生きる」ことの大切さをそっと教えてくれているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








