ピンタン島で風力発電と観光が共存 福建省の新しいエコアイランド video poster
中国南東部・福建省の沖合にあるピンタン島(Pingtan Island)は、強い海風をエネルギーと観光の両方に生かそうとしている島です。風力発電とリゾート開発を組み合わせた取り組みが、いま注目を集めています。
風がつくる島、ピンタンの地理条件
ピンタン島は、中国南東部の福建省沿岸の沖合に位置し、東側で台湾海峡、西側で海壇海峡に面しています。この地形が風の通り道を狭める漏斗(ろうと)効果を生み、海から吹きつける風を一気に加速させています。
- 年間平均風速は約8.4メートル毎秒
- 1年のうち200日以上でビューフォート風力階級7以上の強風
こうした条件は、風力発電にとって非常に恵まれたものだと言えます。
100メートル級の風車が並ぶ「緑の発電所」
島内の丘陵と青い海を背景に、白い風力発電機が整然と並びます。それぞれのタービンは高さ100メートルを超え、巨大なブレードがゆっくりと回転しながら、絶え間ない海風を電力へと変えています。
こうした風力発電は、化石燃料に頼らないクリーンな電力を生み出す「緑の発電所」として機能しています。ピンタン島は、安定した強風を生かして、風エネルギーの拠点として存在感を高めつつあります。
風車が観光資源に 世界から人を呼ぶ風景
ピンタン島の風車は、単なる発電設備にとどまりません。緑豊かな丘と青い海、その上にそびえ立つ白いタービンというコントラストが、島ならではの象徴的な景観をつくり出し、世界各地から訪れる人々を引きつけています。
海風に揺れる音と、規則正しく回るブレード。近未来的な風景でありながら、どこか海の声を響かせるような光景は、多くの人にとって写真に収めたくなるスポットになっています。
エコトレイル、マリンスポーツ、アイランドホッピング
ピンタン島では、自然環境と観光を結びつける取り組みも進められています。島の文化や景観を一つのストーリーとして体験できるよう、さまざまなアクティビティが組み合わされているのが特徴です。
- エコトレイル:風車の立ち並ぶ丘陵や海岸線を歩きながら、海や草花を間近に感じられる遊歩道づくりが進められています。
- ウォータースポーツ:強い風と波をいかしたマリンアクティビティが楽しめるよう整備が行われ、海を体験する場としての魅力が高まっています。
- アイランドホッピング:周辺の島々を船で巡るクルーズも企画されており、それぞれの島の自然や文化を組み合わせて味わうスタイルが広がりつつあります。
再生可能エネルギーと観光が交わる場所として
地球規模で脱炭素やエネルギー転換が問われるなか、ピンタン島は「再生可能エネルギーの発電所」と「観光地」という二つの顔を持つ島として歩みを進めています。
風車の建設や観光開発が進めば、自然環境や地域コミュニティとのバランスをどう守るかという課題も避けて通れません。その一方で、エネルギーと観光を両立させる試みは、これからの島づくり・街づくりを考えるうえで一つのヒントになりそうです。
ピンタン島が目指すのは、風という自然資源を最大限に生かしながら、文化や景観をつなぎ合わせた世界水準の観光地になることです。海風と風車が描くこの島の未来は、今後のエコツーリズムのあり方を考えるうえでも、静かに注目しておきたい動きだと言えるでしょう。
Reference(s):
Pingtan Island, where wind turbines embrace green energy and visitors
cgtn.com








