新疆料理の物語:スパイシーな鶏からナンまで video poster
中国・新疆の料理は、道端のレストランで出されるスパイシーな鶏の煮込みから、香ばしく焼いたラム肉、シルクロードゆかりのスパイスやナンまで、多彩な味と物語を秘めています。本記事では、その代表的な料理に隠れたストーリーを、日本語で分かりやすくひもときます。
新疆料理とは?シルクロードが育てた食文化
新疆料理(Xinjiang food)は、中国・新疆ウイグル自治区を中心に受け継がれてきた食文化です。古くからシルクロードの要所として、多くの人・物・情報が行き交ってきたこの地域では、さまざまなスパイスや調理法が出会い、一皿の料理の中に「旅」と「交流」の歴史が凝縮されています。
国際ニュースでは政治や経済が注目されがちですが、食文化もまた世界を理解する大事な入り口です。新疆料理を知ることは、アジアとヨーロッパをつないだ長い歴史を、日常の食卓から感じることでもあります。
道端レストランのスパイシーな鶏の煮込み
新疆の幹線道路沿いを走ると、道端の小さなレストランで、スパイシーな鶏の煮込みが大きな皿に盛られて出てくる光景に出会うことがあります。ドライバーや旅人が立ち寄り、仲間と一緒に囲むためのボリュームたっぷりの料理です。
ピリッとした辛さと、香り高いスパイスが特徴のこの鶏料理は、寒暖差の大きい気候の中で体を温め、長距離を移動する人々を支えてきました。一皿を分け合うスタイルには、「旅の途中でも、食卓は誰かと共有したい」という思いが込められているようです。
香ばしく焼き上げるラム肉のグリル
新疆料理を語るうえで欠かせないのが、炭火で焼くラム肉です。串に刺したラム肉を炙るスタイルは、屋台でも家庭でも親しまれています。外は香ばしく、中はジューシーに焼き上げられたラム肉には、シンプルながら存在感のあるスパイスが効いています。
このグリルされたラム肉には、遊牧を営んできた人々の暮らしが重なります。移動を続ける生活の中で、手に入りやすい肉を、必要な分だけ素早く焼いて食べる。その合理的な調理法が、今では世界中の人が楽しむストリートフードの一つになりつつあります。
ナンと呼ばれる「カリカリのパンケーキ」
新疆のナンは、小麦粉で作る平たいパンで、外側はカリカリ、中はもちっとした食感が特徴です。日本語では「ナン」というとカレーと一緒に食べる柔らかいパンを思い浮かべる人も多いですが、新疆のナンは「香ばしいパンケーキ」に近いイメージです。
日常的な主食として、スパイシーな鶏の煮込みやラム料理と一緒に食べられるほか、お茶と合わせて軽食として楽しまれることもあります。素朴な見た目ですが、家族の食卓から市場の屋台まで、暮らしのあらゆる場面に登場する「生活の味」です。
シルクロードを旅したスパイスたち
新疆料理の味を決めるのは、シルクロードを通じて運ばれてきたさまざまなスパイスです。香り高いスパイスが、鶏の煮込みやラム肉、ナンに深みを与えています。
シルクロードは、絹や宝石だけでなく、スパイスや食材、そして食文化そのものを運ぶ道でもありました。遠く離れた地域から届いたスパイスが、新疆で育まれた素材と出会い、今の「Xinjiang food」の個性をつくり上げています。ある意味で、一皿の料理は小さな地図であり、スパイス一つひとつが長い旅の記憶を語っていると言えるでしょう。
2025年のいま、私たちが味わえる新疆料理の魅力
2025年現在、世界各地で新疆料理への関心が高まりつつあります。スパイシーな鶏料理やラム肉のグリル、ナンを頬張る動画がSNSでシェアされ、食を通じて遠い土地への興味を持つ人も増えています。
日本からでも、レストランや屋台、レシピ動画などを通じてXinjiang foodの一端に触れることができます。単に「エスニック料理」として味わうだけでなく、その背景にあるシルクロードの歴史や、人々の日常の風景を想像してみると、同じ一皿でも感じ方が少し変わってくるはずです。
新疆料理を楽しむための小さなヒント
新疆料理を味わうとき、次のようなポイントを意識すると、体験がより豊かになります。
- 大きな皿をみんなで分け合う「シェアする食文化」として楽しんでみる
- スパイスの香りから、シルクロードを旅した長い歴史を想像してみる
- 料理を作る人・食べる人の暮らしや背景にさりげなく思いを巡らせてみる
次に新疆料理を見かけたら、その一皿の背後にある長い旅路と、人々の日々の生活を思い出してみてはいかがでしょうか。食を通じて世界を知ることは、国際ニュースを理解するのとはまた違うかたちで、私たちの視野を静かに広げてくれます。
Reference(s):
cgtn.com








